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Vol_9:BHAG(人生を賭けた大胆な目標)


僕は将来、子どもの教育格差や貧困問題に取り組んでいきたい。


日本が抱える社会課題は様々ですが、人口減少や高齢化問題と同じくらい、子どもを取り巻く環境問題を解決していくべきだと思っているからです。


親ガチャ


2021年の流行語大賞に「親ガチャ」がノミネートされ話題となりました。

親ガチャとは、子どもがどんな親のもとに生まれるのかは運任せで、家庭環境によって人生を左右されることを、スマホゲームの「ガチャ」にたとえた言葉です。


この言葉に多くの若者の共感が集まったそうですが、

正直僕は、この言葉を初めて聞いた時「どこまでも人任せだな~」と思った。


しかし、あらゆるデータや資料を見るうちに構造的な課題が分かってきて、僕の【人生を賭けた大胆な目標】が何となく形成されていきました。


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子どもを取り巻く環境の中でも、

大きな要素として「親の年収」があります。


これには地域間格差が大きく影響しており、一人あたりの所得では

全国平均を100と考えた時、関東は+20%以上であるのに対し、

北海道、東北、中国四国、九州はマイナス。

特に東北や九州地方は-20%以上と関東圏に住む人との乖離が40%以上もある。

地域によって親の収入格差があり、それによって子どもの学習機会も大きく変わってくる。これが「親ガチャ」と言われる一つの要因だろう。

もちろん日本の義務教育の課程は(一応)平等であるが、

プラスαの学習機会はまったく違い、親が学校以外に費やす教育費は、

一ヶ月2万円以上としている割合が大首都圏で33.1%に対して、市町村部は10%未満。学習塾の数にも圧倒的な差がある。
(出典:https://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/kyoiku_kakusa/2008/pdf/data_03.pdf)


これ自体に良し悪しはないが、「学ぶ」という点だけで見ても、地域格差があるのは分かる。


このように子どもが自身の力で変えることができない家庭環境、経済状況、親の学歴などによって、将来に格差が生まれている事実。

ザックリ言えば、大都市圏に住み、比較的裕福な家庭に生まれた子どもと、

地方圏に住み、平均所得以下の家庭に生まれた子どもでは「スタートライン」が違っているということだろう。


特に、進路選択や学力は、家庭の経済的状況との関係性がさまざまなデータで指摘されている。

地方格差、経済格差、それが子どもの教育格差に繋がり、

将来の選択肢を変えてしまっている。

こども

一方で、地方で育つ子どものメリットも沢山ある。

子どもの頃、家族の愛情・絆を基盤に、遊びに熱中するなど様々な体験をした人ほど、自己肯定感が高く、ヘコたれない大人になるとの結果があり、

その中でも、自然の中で虫取りや木登りをする遊びや、鬼ごっこ、かくれんぼなどをして外で遊ぶことは、へこたれない力、コミュニケーション力が高いとされている。まさに田舎の子どもにとっては日常そのものだろう。


地方に住んでいる場合、近くに山や川があり、地域によっては海があるところもある。

都会に住んでいるとなかなか気軽に自然を感じることは出来ないが、地方で育つことで社会を生き抜く力が高くなるというメリットもあります。


僕は自分の人生の中で、この「子どもを取り巻く環境問題」を解決していきたい。

これは、都市圏が良いとか、地方が悪いとか、裕福な家庭が良いとか、貧しい家庭が悪いとか言いたいのではなく、子どもが成長するうえで、生まれ持った環境によって「諦めなければならない」ことを減らしたい。


僕は社会人生活において、

自分の運命は自分の手の中にあるとか、「やればできる」という考え方は人を元気づける面と不愉快にさせる面があることを学びました。


自分がいる環境を、恵まれているとも知らずに、「親ガチャ」などと言う人を軽蔑していたのだと思います。強者の意見を振り回すような発言や考え方を持ち、知らず知らずに相手を傷つけていたのだと反省しました。

よく考えたら、誰しもが本当に平等にできているのであれば、そもそも基本的人権など要らないはず。

真実は、人間は生まれながらにしてあまりにも不平等だった。

だから、せめて最低限のチャンスを「公平」に近づけるような社会を目指したい。

僕は今後の人生において、その課題に取り組んでいきたいと思っています。


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『 There is a crack in everything and that's how the light gets in. 』

すべてのものにはクラック(ヒビ)があり、そこから光が差し込む。


カナダのシンガーソングライター、レナード・コーエンの名曲「Anthem」の一節である。

台湾をコロナ禍から救ったデジタル担当大臣、オードリー・タンの大好きな言葉でもある。

タン氏はインタビューで、この言葉を引用してこう語った。

「もしあなたが何かの不正義に焦り、怒っているのなら、

それを建設的なエネルギーに変えてみてください。

こんなおかしいことが、二度と起きないためにできる事はなんだろうと

自問自答を続けてください。

そうすれば誰かを攻撃したり何かを非難したりせずに、

前向きな新しい未来の原型を作る道にとどまることができます。

あなたが見つけたクラックに他の人たちが参加し、

必ずそこから光が差し込みます」


嘆くのでもなく、非難するのでもなく、自分ができることを人生をかけてやっていきたいと思う。

これが僕のBHAG(人生を賭けた大胆な目標)である。

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