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中小事業者のITスキルに応じた支援の在り方

 今年最後の投稿になります。とはいえ、今年の振り返りもせずに、普通のテーマで進めさせて頂きます。
 今回は、中小企業診断士として中小企業事業者を支援する際に必要なITスキルや中小企業経営者のITスキルとその対応についてご紹介させて頂きます。この話は、平均以下のITスキルの中小企業を指してお話をしていますので、ご了解いただきます。

パターン1 IT以前のアナログ対応

 中小企業事業者(特に個人企業)の中には、ITスキルもなく、デジタル化に興味のない(対応できない)方もいらっしゃいます。スマートフォンは持っていますが、基本的には電話を使い、LINEやメールがやっと利用できるかのレベルです。このレベルの場合は、PCをご家庭で持っていても、ご自身では使うことができません。よって、中小企業(個店)を訪問して手取り足取りの対応です。このレベルは私が支援した中で1件ありました。私がお話を伺い、PCで何かの資料を作ったり、写真を撮ったものは近くのコンビニで印刷したりします。報酬は全く期待しませんが、色々なものを頂きます。

パターン2 デジタル化の必要性はあるが、ITスキルが低い

 一般的な中小企業事業者(特に個人企業)は、Webの閲覧ができ、メールのやり取りはできる方が多いです。しかし、ダウンロードして入力したり、文書を作成したり、登録をすることができるかの段階だと微妙な方が出てきます。また、Zoom等のWeb会議にも参加でき、会話をすることができますが、画面共有が難しいくらいのレベルです。
 このレベルはスキルが低いというよりも、経験がないというパターンが多いです。1つずつ経験頂ければできるようになりますので、ご自身で取り組めるようにしています。スクリーンショットの取り方などもお教えします。最近は、Zoomで画面共有をしながらご自身で取り組んで頂きます。本来はIPAのSECURITY ACTIONが自力でできるレベルは必要だと思います。

パターン1,2のまとめと思い

 このパターンの企業に対しては、中小企業のために行っている施策や補助金・助成金などの情報が届いていません。口コミで誰かに教えて頂いたり、近くの無料相談からお問い合わせがあったするのだと思います。
 本来なら、このパターンの企業に対して、IT導入補助金や小規模事業持続化補助金ができれば、ITレベルとして底上げができるとは思いますが、前提が難しいんです。とにかく、一つ一つ学んで頂きながらスキルアップすることで、IT化を目指していきます。その過程で、Excelに記入でも良いですが、紙に書いて終わりではなく、紙からExcelに転記するレベルを目指します。
 Web上から登録したり、ダウンロードして名前を変更して書き込むくらいの対応もできるようにして、ある程度進めてから、Zoomで打ち合わせができるレベルに発展させていきます。こうなると支援もしやすくなります。
  私としては意外ですが、このレベルの支援が向いているのかなとは思うことがあります。とはいえ、徐々にマニュアル化するとか、協力者を募るとかしないといけないなと感じています。

パターン3 最低限のITスキルはある

 このパターンになると、Officeツールのフォーマットがあればレベルが抜きにして何かを書き込むことはできたり、URLを示せばダウンロードしたり、Web上で入力することができるようになります。要は、進捗や出来栄えをチェックしていけばよくなるので対応が早くなります。不明点があってもメールやチャットで問い合わせることも抵抗がないのでスムーズにいきやすいです。
 このレベルになるとOffice製品に抵抗がないので、ディクテーションで好きに話してもらった記録をメモで頂いたり、留守電でもないですが、録音したものを頂いたりしてコミュニケーションの活性化の一つにならないかと思って、小ネタスキルを提供しています。

まとめ

 中小企業に対する支援ですが、ITスキルのレベルによって対応の質や量が変わりますが、それに応じたものを提供するようにしています。これ以上になると、セキュリティ教育、PRAやOfficeツールを用いた仕組みの構築、ITスキル教育などを提供したりします。生成AIを活用しながらノーコードツールを作ってみるとか、ITやDXに興味を持って頂く企業を増やしていきたいと考えています。
 今年度はこれで終わります。中小企業に対し、来年は小規模ツールなどの提供の幅の拡大、小規模企業向けにITやDXの実践教育、生成AIを使った業務効率化のコンテンツを作って提供することを計画しています。来年も宜しくお願い致します。

#企業内診断士 #中小企業診断士 #生成AI #DX


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