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パートナーなしではブランドは育たない

ブランドの本質をきちんと理解する

今回記事にしたいと思っているのは、ご都合主義でパートナー選びを行うことの罪についてです。強いブランドを持っているのだけれど、どうもブランドの方向性が右往左往しているのを外から見ていても分かるというシーンは結構遭遇すると思います。ご都合主義という言葉を使いましたが、どちらかというとブランド力そのものをツールとして使っている感じに見受けられる場合が多いです。主にあるのはビジネスサイドの実績や都合が見え隠れする。この場合、商品やサービスが唯一無二で、圧倒的な便益を与えているのであればある程度安定しているとは思いますが、ブランドには現実として浮き沈みがあります。ブランディングの大きな目的の一つには、

継続的なステークホルダーとの繋がりを醸成して将来に向けて成長する

ことにあります。テクノロジーの進化や外的要因によって競争原理は往々にして変わってしまうわけなので、その時に独りよがりのブランド管理を行なった企業はステークホルダーとの繋がりを失い、継続的な成長は厳しいものになると思います。
ブランドの本質は、売り上げや実績を作るツールではなく、ステークホルダーとの関係性を作りながら社会に価値を還元していく行為そのものです。どうもこの本質を分かっていない企業が多いように思えるのです。

パートナーもブランドを作る

特に一番気になるのは、パートナーを一つの売り上げ拡大のための手段としてしか捉えていないことです。事業に多くのパートナーが必要となります。販売網を提供する企業群もそうでしょうし、商品・サービスの要素を提供する企業群もそうかもしれません。それの企業群はパートナーであり単純に「切った貼った」で構成するものではありません。特に、販売や供給については、ブランドがある程度強くなってくれば、簡単にパートナーを置き換え可能と考えがちです。その考え方は全てが間違えというわけではく、置き換える必要がある場面もあることは事実です。ブランドにとって最適なパートナーを選んでいくことが、ブランド確立には大切な視点で、一緒にブランドを作ってくれるパートナーとビジネスは行うべきです。つまり、パートナーは売上拡大のための手段の一つなどではなく、ブランドを共に作り上げるステークホルダーなのです。

パートナー変更の際の注意点

当然、ブランドの方向性に賛同いただけないパートナーは置き換えていく必要が出てきます。あらゆる企業・業界において、再編が必要となっているのは事実です。しかし、その際に置き換えになる対象(つまり、切ってしまおうと思っている企業)も業界におけるステークホルダーであることを忘れてはなりません。対象となる企業もビジネスの方向性も持っているでしょうし、主義が異なる可能性もあります。ブランド側の考える方向性と今は合わないだけなのかもしれません。何度も書きますが、ブランドには浮き沈みがあります。常に栄華を極めるブランドは皆無です。そのことを念頭におきながらパートナー選びとそのケアを慎重に行うことが求められるのです。

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