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インテグレーテッドマーケティングコミュニケーション

マーケティング領域だけではないコミュニケーションを

今回の記事は、ブランディングというよりはもう少し広い領域で注意すべき一連のコミュニケーション施策について書いていきたいと思います。テーマにあるように、今回のワードは、

インテグレーテッドマーケティングコミュニケーション

です。IMCとか言われることが多いです。その意味は、統合されたマーケティングコミュニケーションということなのですが、何が統合されているのでしょうか。その答えに入っていく前に、今現実として多くの企業で起こっていることを挙げていきましょう。

マーケティング部で主導するIMC

ある企業には敏腕マーケターがいて、あらゆるマーケティングチャネルにおいて良くコントロールされたマーケティングコミュニケーションを実施していました。そのブランドはプレミアムな価格のプロダクトでコミュニケーション上のペルソナは30代あたりの男性でした。ソーシャルメディアでは、かなりデザインされたクリエイティブで質の高い画像・映像を使い、エモーショナルな施策が展開され、自社WEBサイトでは同じく質の高いコンテンツが表示されていました。彼らはメールマガジンなども発行していて、テキスト版のみ出会ったけれど、ワードなどは完全にソーシャルメディアや自社WEBサイトと連携をされていました。マーケティング上の接点において完全に統合された施策が展開されているのと同時に、効果を測定する各種調査も完全に実施をしていました。
ある期間が過ぎ、新しいブランド調査の結果が届いたので、マーケターは課題としていたプレミアムなブランド感を評価するスコアがどこまで上がったか、また、ターゲットとしている30代男性の認知率がどれだけ上がったかが楽しみでしょうがない感じでした。しかし、結果として出てきたのは、プレミアムなブランドというよりは手軽な価格を打ち出していることを示すスコアが上がり、認知率も50代以上の女性の認知が上がっていた。。。
さて、これは何が起こっているのだと思いますか?文字数の関係で答えを示してしまいますが、このブランドのセールスは店頭にて頻繁に割引販売を行い、販売店のチラシの目玉として取るために多くのディスカウントを行なっていたし、PR部門は女性誌への露出を強め、メッセージとしても若返りに良いというような記事が多くあった。。。。
結果として、ブランド調査が必然だったことがこの時点ではっきりしたのです。

IMCは全社で捉える競争戦略

上記の話をちょっとだけ脚色していますが、実はこのような事例は多く存在します。組織が分かれていることによってブランドから発信すべきメッセージ、ターゲットが明確でなく、各ファンクションが評価されやすい方向に動いていった結果、統合されたコミュニケーションは実施されず、ブランドとして支離滅裂なブランドイメージになってしまっている事例は多くあります。
IMCはブランディングと共に全社でコントロールをしなくてはならず、PR~マーケティング~セールスにかけての施策のタイミング、コンテンツ、メッセージ、ターゲットなど全てを統合していく必要があります。組織として分断されていることに加えて、PRの代理店と、マーケティングの代理店が異なっているというような理由でも分断は起こります。IMCの重要性を理解し、俯瞰してIMCが実施できるように横の連携を密に取ることを忘れないようにしましょう。

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