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これからの高齢化社会

来年は3人に1人が高齢者の超高齢化社会と呼ばれる2025年に突入する。

私が看護師に成り立ての約30年前。1994年。

入院患者の高齢者といえば明治40年代生まれや大正時代の方々が多かった。
彼等彼女等は例えばオムツ交換を行うと、常に「申し訳ないね」と必ず手を合わせて謝られる方が多くおられた。ナースコールで呼び出し対応した後は必ず御礼があった。車椅子で検査室まで迎えに行くと感謝の言葉や「若い人にこんなことさせて申し訳ない」と言われることが多かった。
その度に感謝の気持ちを頂き、奢ることなく自分のスキルを磨き還元できるような関わりをしたいと思っていた。

介護保険法が制定されたのが今から24年前。

介護認定に該当した方々は明治時代の方々が少なくなり大正時代から昭和時代に突入した。
やはり大正時代の方々は介護保険のサービスを利用することに対し、「長く生きて若い人達に面倒みてもらうなんて。申し訳ない。長生きするもんじゃない」と話す方々が多かった。
彼等彼女等には年長者という自負があり、身体が不自由ではあるが他人に、また自分達よりも若年者に世話をかける、ということが居た堪れないと口に出す方々が多くおられた。その度にこの方々が在宅で生活が全うできるように真摯にケアマネジメント頑張ろうと思えた。

だが昭和10年代生まれくらいの方々からセリフの特性が変化し「私等はどんなサービスが使えるん?」と少しずつ権利を主張する方々が増えたような気がする。あくまで私の主観であり統計はとっていない。

そして2024年現在。
団塊の世代である昭和22年〜25年生まれの方々が70〜75歳と後期高齢者に突入。
「介護保険を支払っているのだから認定を受けないと損だ」と言う方々が増えた。損得まで言うように移り変わる。認定を受けず元気な人達というのは素晴らしいのに。認定をうけサービスを利用することが国民の権利とばかりに主張する傾向が強い気がする。

確かに人によりけりであることは前提として。自らの不自由さを主張する方々が増えた。
良い悪いではなく、世代が持つ特性だと思う。

これからの高齢化社会。ますます権利や損得を主張する人達が増えるのか。
悲し過ぎる。そんな人達のケアマネジャーや高齢者看護なんてしたくないのが本音。

もちろん変わらず謙虚な方々もおられる。だが「してもらって当然」の態度の方々は昔と比べ確実に増えた。

若手のナースやケアマネ、或いはこれからナースになりたいと思う学生達は大変だなと思う。

そして私があと20年後70代になった時、当然のように介護保険認定を申請し本来の自分の力を見直さず権利を主張するのだろうか。怖いなー。
他人事ではない。これからの高齢化社会。


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