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チーム内での認識のズレを補正する

とある日、友人からチームについての相談をされました。

Aさん:私のチームは、仕事の押し付けあいになりがちなんです。

私:ほうほう、具体的にどんな状況なんでしょう?

悩みについてヒアリング

Aさん:今納期前で具体的なものができてきた状況なのですが、メンバーと揉めて困ってしまって…。

チームの状況
・チームにリーダーはいない
・Aさんはリーダーではなく、はじめに動いていたのがAさん。けれど色々確認を経るうちに別の同職種も入ってきて、結果チームでやっている
・納品するものができてきて、チーム内で議論をした
・意見がたくさん出てきてよかった…もののクオリティアップすべき、スコープに入っていないものもやるべき、という案が出てくる
今のお悩み
・Aさんは来週どうしても抜けないといけない用事がある
・切り出したところ「プロジェクトの佳境に入っているのに用事とはなんだ!」と言われてしまう


私:大変だ…。

Aさん:私がリーダーではないし、チームメンバーもいるのだから私がいなくてもみんなに進めてほしいのですが…どうしたらいいのでしょうか。

私:(もしかして、みんなの期待値がズレているのかも?)

チームのみんなの気持ちを考えてみる

Aさんの気持ち
私がいなくてもみんなで判断して進めてほしい。

でも、みんなはどう思っているんだろう?

もしかすると…
みんな:いままでAさんが中心だったんだからAさんが進めてほしい。
案出しするのもよかれと思ってやっていて、Aさんに取捨選択してほしいと思っているのかも?

人は都合の良いように解釈する

人は誰しもが自分の下した決断を正当化しようとします。
また、私たちの考え方や認識には必ずといっていいほどなんらかの偏りがあります。そのため、自分にとって好ましくない事柄は他人のせいにしてしまいがちです。

みんな:今までAさんが進めていたんだし、Aさんが責任を持つのは当然。

私:仮にこう思っていたとすると、「プロジェクトの佳境に入っているのに用事とはなんだ!」と言いたくなる気持ちもわかるかも…。

Aさん:たしかに。

私:あと、みんなにとっての「完成」のイメージが違っていそうだから、何が出来たらゴールなのかはっきり決めたほうが良さそうです。

特に納期前はチーム内のタスク量が多くて忙しくなりがち。頼まれたこと(ミーティングの参加、成果物の提出等)をやりきったら自分の作業はそこで完了、と思っているのかもしれません。

そして、今挙がっている「もしかすると」を解消するには、チーム内で「完成させるもののイメージ」と「お互いに対しての期待値のズレ」を解消させるほかありません。

「誰かと一緒にやるものづくり」ってとても泥臭い

こうして思考をブレイクダウンしたAさんは、チーム内で話し合うことにしたようです。

チームで働くたびに痛感するのですが、誰一人として同じ人はいなくて、「良い」「好き」と思えるものも人によって違います。違う価値観を持っている人たちが、指標なしに議論しあえば認識の不一致が起こるのは当然です。

仕事でも、友人間でも、家庭でも「どうしてわかってもらえないんだろう」と疑問に思ったり、「あの人はわかってくれないから」と諦めてしまう経験が、誰でも一度はあると思います。
でも、自分の「常識」と他人の「常識」は違う。生きてきた環境が違うから、程度の差はあれど異なるのが本来当たり前です。

価値観の違う人たちが集まって、一緒にやっていく上ではコミュニケーションが必要不可欠。そのプロセスに時間と労力をかけなければ、チームで動くのは難しいです。調整に時間をかけるのが嫌で、結果一人でやったほうが早い!と思う人も少なくなくありません。(そういう気持ちでフリーランスという道を選ぶ人は多いと感じますし、かつての私もそうでした)

けれど価値観や持っているスキルセットが違うからこそ、一人でやるよりももっと良いものづくりができる。そこがチームで仕事をすることの面白いところでもあり、奥深いところだなと思います。

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