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Samba,Samba,Samba ②

その永福町での練習、それがたしか6月。浅草のサンバカーニバルまであと2か月。「スルドが足りません!危機的状況です!誰かやりませんか!!」 練習後、リーダー格らしき男性が叫んだ。

得も言われぬ自分の気持ち(その楽器、、名前さえ聞き取れなかった、でも、、やってみたい・・)が湧いていたが、なにせ新参者も新参者、本日の見学者な自分なのだから、そんなことはその場ではとても言えない。けれど練習後に声をかけてくれた優しい先輩たちに、わたしは打ち明けた。

そしてその夏、必死でみなにくらいつき、吸収できるものは吸収し、8月終盤、浅草サンバカーニバルのスタート地点に立っている自分がいた。興奮と緊張と喜びで体の全細胞が震えていたのかもしれない。異様な重さの衣装さえ気にならなかった。頼もしいスルドリーダーがわたしたちスルドメンバーの心を支え励まし引っ張ってくれた。ヂレがこちらにきて声をかけたり、いろんな音がして慌ただしい。パレードが今まさにこれから始まろうとしていた。

スタートのイントロは、うっすら記憶がある。が、パレードの記憶がほとんどない。あまりに楽しく夢中だったのだろう。しかしその個性的なイントロパターンは今でも覚えている、しっかりと。


ありがとうございます!!うれしいです。100円は話し手と聞き手(私)で分けますね。次できるまで時間がかかるかもですが、気長によろしくです。