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キャリアインタビュー ~仕事と子育ての両立~ 第1回

子育て中は専業主婦(+パートをちょこっと)だった筆者が、ママ支援のために仕事と子育ての両立の実情を詳しく知りたくなってインタビューしてきた記事の第一弾です!

――さて本日はSさんにお仕事と子育ての両立ということをテーマにお話いただきたいのですが。
 
私、このテーマってすごいみんなが直面する問題だと思うんですよ。やっぱり働き続けていく上で、仕事と子育てを両立していかないといけないじゃないですか。でも、そのためには環境が整っているのかどうかってすごく重要で、整っていなければ何かしら工夫とかが必要になってきたりとか…みなさん結構大変な思いをされていますよね。
 
 
 
――まさにそうですよね。では、その辺り詳しくお聞きする前にまず、Sさんはご結婚される前もお仕事されていたと思いますが、それまでどんな価値観でどんな働き方をされてきたのかについてお聞きしてもいいですか?
 
私は短大卒業後アパレル業界に就職して、その後、外資系の会社に転職して、そこでブランドの新規立ち上げ事業を経験したんですね。ブランドを新しくを育てていくっていうお仕事でした。実は、最初に就職した企業も新規事業部だったんで、ブランドを育てるっていうのがすごく得意だったんですね。ですから転職先でも新規事業っていうのがとても自分にフィットしたんです。
 
ただ、元々30歳になったら結婚するって決めていたので、そこまでは「キャリアを積んでいく」ってことが自分の中でかなり重要だったんです。ただ、ここでは仕事がすごく忙しくて、とにかく自分のプライベートの時間っていうのが削られてくわけですよね。

 
 
――仕事とプライベートとのバランスも難しいですよね。
 
そうなんですよ。そうなった状態で改めて振り返ってみると、元々私は航空業界を志望してたんです。
 
 
――え?そうなんですか。ではなぜアパレルの道へ進むことになったのですか。
 
当時は、氷河期で募集自体があるかないかみたいな感じで…それ以外にやりたいことってあまりなかったんですよね。そうしていたら、学校で友達といた時に突然とても偉い先生が近づいてきて「受けてみなさい」って私たちにある企業の募集を紹介してくれたんです。それが最初に就職したアパレル会社だったんですよ。当時はお洋服は好きでしたけど、自分がアパレルに行くとは思ってはいなかったです。
 
そのあとは前述の通りで、外資に転職したけれども仕事がとても忙しいという状況になった時に、「私は本当にこれをしたかったのかな?」って思ったんですよね。本当にアパレルがしたかったのかなって。
 
そのうちに私の姉が、「アロマセラピストって興味ない?(姉の)クリニックで食事制限のある患者さんのリラクゼーションでアロマを使いたいから」ってアロマセラピストを勧められたんです。その時は全く興味がわかなかったんですけど。本屋さんでアロマの本をちょっと見てみたら、その奥深さに勉強したいなと思い始めて、会社を辞めてアロマの学校に通い始めました。

 
 
――すごい潔さですね。ではそれからセラピストの道へ進まれたのですか。
 
それからセラピストとしてお仕事もしていたんですが、たまたま前職で一緒だった方からお声をかけられまして、またアパレルで販売をすることになりました。その時は、とても良質な商品を扱っていたこともあって販売のスキルもすごい必要だったんですね。そういう環境に身を置いたことで「あー、私このお仕事が好きだったんだ」って自分の答えが出たんですよね。
 
 
――アパレルに戻られたときに「この仕事が好き!!」って再確認できたんですね。
 
そうだったんですよね!そして、その後、また別のアパレル企業にヘッドハンティングされるんですけど、それまでキャリアを大切に生きてきたので、このまま一生独身ていう道もあるかも…って思っていた矢先に、夫と知り合いまして、出会ってすぐに結婚が決まったんです。

そう、そして、ちょうどこの結婚をした時というのが私の人生で一番仕事が忙しい時と重なるんですよ。当時はデパート勤務だったのですが、デパートの閉店時間と私の帰宅時間に乖離があったので、私がこんなに帰りが遅いっていうのは、違う業界の夫からしたら全く理解不能なことだったらしいです。

 
 
――確かにデパートで働いたことのない我々からしたら理解が難しいところかもしれないですね。ではその後、産休にはいられたと思いますが産休中はどのように過ごされていたんですか。
 
実は私、遠い将来、転職する可能性もあるかもしれないと思って産休中にパソコン教室に通ったんですよね。資格取っておくと便利かなと思って。それまでも業務で使っていましたが、目に見える資格とかあった方がいいかなと思って。
 
 
――さすがの向上心と行動力。感心します!
 
今となってはIT業界に転職できたので、ここで資格を取っておいたのが人生の分かれ道だったのかもとは思います。
 
 
――なるほど、今になってその資格が活かされるんですね。ではちょっとお話を戻しますが、職場に復帰された当時の職場環境や実際の育児はどうだったんですか。
 
私の職場の方はみなさん理解ある方で、子育てしている私にもとても協力的だったんですが、自分の売り上げ目標などもあるので、毎週土日どちらかは出勤していましたし、連休ももちろん出ていました。当時私は時短勤務でしたけど、実際のところはその時間に帰らずに仕事してましたし、朝は誰よりも早く行って、お昼の時間も削って、帰りはもう保育園のお迎え時間ギリギリっていうところまで働きました。職場の方には「帰っていいよ」と言ってもらえるのですが、やっぱり自分の気持ちの面で帰るのが難しくて…でもここまでやっても、独身の時のようにはいかないんですよね。それがすごくもどかしくって。子供って、実際思っていた以上に手がかかるし、病気にもなるし、そうなるとどっちかが休まなきゃいけない訳なんですが、お互い、本っ当に!!休めないから…
 
 
――お仕事も子育てしながらの限られた時間で最大限にされていたんだろうなという感じがとても伝わって来ますね…とはいえ、休めないというのも辛いですね。
 
そうなんです。ですから、そういう時は、子どもには申し訳ないと思いつつ病児保育も利用しました。
 
 
――病児保育を利用されている方結構いらっしゃいますね。看護師さんもいて安全ですよね。
 
そうなんですよね。あとは、私の場合は休日も仕事があったので、主人も協力してくれて毎週末子どもの面倒をみてくれていたのですが、時短勤務が完全に終わってしまうと、いろんな事のやりくりがちょっと難しくなってきてしまって…
 
それから、「理想の子育て」を考えて家族を優先するために39歳の時に思い切ってIT業界に転職しました。

 
 
――ええっ、すごい!!ご家族のことを考えて転職をされたのですね。とても素晴らしいご決断ですね!でも、39歳で別業界に転職って、色んな意味でなかなか出来ることじゃないですよね。
 
はい。正直すごく不安もありました。でも、私の大尊敬しているお客様にその思いを打ち明けたことがあったんですね。そのお客様も、ご結婚後に嫁いだ先のお仕事をお手伝いするというお話が挙がったそうなんですが、その仕事がこれまでとは全くの別業界だったそうです。そこで、その方がどんな方法を取ったかというと、まず今働いている会社にお願いしてお休みをもらって、その嫁ぎ先のお仕事を試しにやってみることにしたらしいんですよ。そして、一度体験してみて合わなかったらやらないという…
 
 
――それ、いいアイディアですね。
 
そうなんです。その方はそこで「意外と私にも出来そう」って思えたらしいんですね。というか、むしろすごく面白かったそうで。その時そのお客様に「今まで培ってきた仕事とやってきた経験やスキルは何かしら生かせるものよ。」って言ってもらって、とても勇気づけられました。今でも時々思い出す程、私にとってはとても大切な言葉です。
 
 
――素敵なご経験ですね。私も心に響きました。では、これからお仕事と子育てを両立させようと思われている方もいらっしゃると思いますが、これまでのキャリアについてSさんが思うことを最後にお話いただけますか。
 
そうですね。その会社が子育てに関してどういう環境なのかというのは、やっぱりそこで働いてみないと分からないっていうのもあると思いますが、何より一番大切なのは「その仕事でやりがいを感じられること」なのかなと思います。私も一度アパレルを離れたことで「この仕事がすごく大事だったんだ!」って再認識できたように、別の経験をして初めて見えてくるものもあるように思います。ずっとその場にいたら忙しくてそんなことを俯瞰して見られなくもなっていますしね。
 
それから、私も色々な仕事をやってきて、「やっぱりキャリアってたとえ違うジャンルでも繋がっているんだな。」って思います。これまでの知識や経験て違う業種に行っても生かせることがあるんですよね。

 
 
――たくさんご経験をされてきたからこそ今があるのですね。今後もSさんの益々のご活躍を期待しています。今日は素敵なお話をありがとうございました。

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