優秀な同僚が来た!競争だ!#23
心理学・行動経済学の記事 第23回
個人でも影響力を持っており、チームの中でも個の力が重視される現代。
あなたが働いている場所や環境、分野において、自分が優れていても、そこへ自分よりも優秀な人が来ないとも限らない。いや、むしろ、来るだろう。
今回は、そんなお話!
ピア効果
あなたのチームに優秀な同僚が入ってきた!あなたの生産性はどのように変化するのだろうか?手を抜いて任せる?それとも、負けじと頑張る?2つの可能性があるだろう。
あなたが、その同僚を無意識に基準と考えて、彼に追いつこうとするかもしれない。
いや、社会的にプレッシャーを受けて、焦る気持ちから努力をするかもしれない。
いやいや、生産性の高い同僚から学ぼうとして、自身の生産性の向上につなげるかもしれない。
あるいはその逆もある。
どちらの考えにせよ、同僚はあなたに影響を与えていることは間違いない。このような影響はぴあと呼ばれている。
ある研究を見てみよう!
例 スーパーマーケットのレジ打ち
アメリカのスーパーマーケットで、従業員が前後に並んで、仕事をしている。
あなたがレジ打ちをしていると想定すると、自分の前方にレジ打ちをする同僚が見える。
一方、自分の後ろにいる同僚の仕事ぶりは分からない。
もし、前方の同僚の生産性が自分より高かったら?
もしくは、自分の後方の同僚の生産性が高かったら?
それぞれについて、調べてみると、生産性の高い同僚から見られている場合、つまり後方にいる場合、自身の生産性が向上し、生産性の高い同僚が前方にいる場合、自身の生産性に変わりはなかった。
参考:Mas & Moretti (2009)
研究結果から分かったことは、レジ打ちは、チームで行うという場面において、同僚からの社会的プレッシャーで生産性が上がっていた!
あなたは焦る?
あなたは焦るだろうか?
スーパーマーケットのレジ打ちの例では、「プレッシャーによって、生産性が向上した」という結果が出た。
しかし、逆にプレッシャーにより、生産性が落ちたり、はたまた、前方が生産性の高い同僚の場合に、その姿に感化されて努力するということもあり得る。
どちらにせよ、あなたは、他人を基準にしがちである。それは、プライベートでは少ないかもしれないが、仕事の場だと往々にしてある。
他人を基準にし、周りの評価を基準にし、行動を起こす。
私は社会に出て、働いたことがないため、研究結果や聞いたことしかわからない。
だから、それが悪い!とか良い!とかは、控えたい。
ただ、このピア効果が働くことは事実だ。
競争しあって、お互いに成長することはすごい!
でも、一人で行動を自発的に起こせる人は、きっと、他人からの基準となり、ピア効果を働かせるだろう。
ここでサポートいただいたものは、全て私の母の病気への還元に使わせてただいています。