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名前を呼ぶとき

こんばんは。
今回は、ひさびさに人称代名詞が出てきます。
ベトナム語で人称代名詞は「私」と「あなた」の性別、年齢、関係によって言葉が変わります。
「あなた」を表す二人称の言葉は、そのまま相手の名前の前につけると、敬称の意味なのだそうです。

Googleで「ベトナム語 敬称」と検索し、トップに出た「東京外国語大学言語モジュール」の「Step02:人称代名詞(1)ー単数」というページには、このようにありました。
『名前の前に人称詞を置くことで、「田中さん」の「さん」のような敬称として用いることができます。人称詞のとき同様年齢による使いわけがありますが、二人称(単数形)に準じます。
注意しなければならないのは、ベトナム人には、「さん」は苗字にではなく、名前に対してつけるということです。たとえば、フルネームが「グエン・ティ・トゥイー」であれば、「グエンさん」ではなく、「トゥイーさん」としなければなりません。ホー・チ・ミンを親しみをこめて "Bác Hồ(ホーおじさん)" と呼びますが、これはあくまでも特殊な例です。
一方、外国人は必ずしもこの原則に当てはまっていなくとも構いません。』

最近は日々もっぱら「rakuraku vietnam」さんの【初級ベトナム語文法授業】を視聴し続けています。
今日は『初級ベトナム語文法第18課「この〜、その〜、あの〜、どの〜」「〜nay」「〜do」「〜kia」「〜nao?」「〜さん」』『初級ベトナム語文法第19課「(この、その、あの)人は誰ですか?」「あの人は誰ですか?」「Nguoi kia la ai?」』のレビューです。

「rakuraku vietnam」さんでも、「二人称+名前」で「〜さん」という意味で、ベトナムでは「(名前)さん」は「苗字ではなく、名前につける」ということでした。
そして「rakuraku vietnam」さんでは、例として「ユカさんと友達同士なら“Ban Yuka”。ユカさんが年下なら“Em Yuka”。ユカさんが年上なら“Chi Yuka”」を挙げられました。

ここで、私に少し引っ掛かりがありました。困りました。
「ハノイのタイベオ先生」の記事『【人称代名詞】ベトナム語で「私」と「あなた」を使い分けるコツを教えます』では、こうありました。
『まずは、相手が男性でも女性でも性別を問わずに使うことができる「あなた」の言い方を見ていきましょう。・・・。Bạn:初対面の人や同年代ぐらいの親しくない人に対して』。

“Ban”を使う場面に違いがあるような気がします。
重なるのは「同世代ぐらいの人に対して」という部分ですね。
「親しき仲にも礼儀あり」ということでしょうか。
しかし「ハノイのタイベオ先生」では、このようにもあります。
『日本語の「〜さん」は単に相手を丁寧に呼ぶ表現で、そこに親しさの度合いはあまり含まれていません。でも、ベトナム語ではそこにニュアンスとして「フォン兄さん」「チャン姉さん」「トゥンおじさん」などの意味が含まれます。ちょっと、温かくてほっこりするような、親族のような気持ちになりますね。』
礼儀とは意味が違うかもしれないけど、むしろ相手との距離を縮めていく雰囲気が感じられます。

もう一つ、記事を引用します。
「トマトのベトナム語ボックス」さんの「vol.406 敬語を表現するための3つのポイント」という記事です。このようにあります。
『通常の年齢にあてはまる二人称よりもあえてさらに年上の二人称を選ぶことによって敬語表現をすることができます。・・・。また、tôiやbạnやmìnhなど中立的で少し他人行儀な人称代名詞を使うことによって相手と距離を置き、尊重の意を表すことにつながります。』

これらを読んで、私は「rakuraku vietnam」さんで言われている「友達」というのは、「年上」「年下」との対比で、「だいたい同世代」の人に対して、という意味合いなのかな、と思いました。
その上で「〜さん」(敬称)なので、“Ban Yuka”は、「トマトのベトナム語ボックス」さんが言われている「尊重の意」、つまり「丁寧な表現」ということなのだと思います。
私が、二人称を自然に使えるようになる日が来るのか、今はさっぱり見当もつきませんが、使いこなせるようになったらいいな、と思いました。

最後に、文法の学習です。
日本語では「その電話は/グェンさん/の/です」。
ベトナム語では「電話/その〜/です/の/グェンさん」という語順になります。電話は「Dien thoai」、「の/グェンさん」は「cua em Nguyen」。なので「Dien thoai do la cua em Nguyen」です。
これが「グェンさん/の/電話は/どの電話/ですか?」という疑問文では、ベトナム語では「電話/の/グェンさん/です/電話/どの?」という語順になります。
なので「Dien thoai cua em Nguyen la dien thoai nao?」となります。
日本語で「この電話は/誰/の/ですか?」と聞くなら、英語だと「Whose phone is this?」です。
英語には「誰の」という単語があるのですね。
ベトナム語では「誰/の」を聞くときは「cua ai?」となります。
なので「Dien thoai nay la cua ai?」となります。

次に「あの人は誰ですか?」という疑問文です。
英語では「Who is that?」。
ベトナム語では「人/あの/です/誰?」という語順になります。
なので「Nguoi kia la ai?」となります。
「その/人/は/バン/さん/ですか?」と聞く場合はどうでしょう。
英語では「Is that Van?」「Is that Ms. ~?」。
ベトナム語では「人/その/です/さん/バン/か?」という語順です。
なので「Nguoi do co phai la chi Van khong?」となります。
「(名詞)ですか?」は「co phai la (名詞)khong?」ですから、人の名前もこれに当てはまります。
対して「はい、そうです」と答えるとします。
ベトナム語では「はい」は「Vang」、「そうです」は「dung roi」。
なので「Vang, dung roi」です。「Yes, it is」。
「あの人はバンさんです」と答えるならどうでしょう。
「あの人」は「Nguoi kia」、「です」は「la」、「バンさん」は「chi Van」。
なので「Nguoi kia la chi Van」となります。

「英語では?」というのを、いちいち調べているのですが、どうにも英語が一番スッキリしていますね。
ベトナム語の文法の学習としての例文なので、ベトナム語でも通常はもっとスッキリと書いたり話したりしているのかもしれないですね。

以上です。

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