バリュエーションを「先送り」?!(5)
前回のnoteはこちら。
前回までのnoteで、新株予約権付社債のことを説明してきました。
しかし、なんとなく腹落ちしない感想をもった人もいるかも知れません。
そう。
新株予約権付「社債」なのです。
社債=借金なのです。
シリーズAにいったらどうのこうの、、、という話をしてきましたが、シリーズAにたどり着けずに終わってしまうスタートアップはたくさんあります。
そうなったらどうなるのか?
もちろん、借金ですから、投資家にお金を返さないといけません。
株だったら、返さなくてもいいですよね。
スタートアップというきわめてリスクの高い事業である以上、「借金」であるのはやはりよろしくないのではないか?
というわけで、最近では、「新株予約権付社債」から「付社債」の部分を取り払い、単なる「新株予約権」としてシードマネーを提供するという仕組みが出てきました。
なぜ「社債」をとるのか?
以上の説明のとおりです。社債でなくなれば、借金ではないので、お金を返す必要がなくなり、起業家側にとって調達に対する心理的ハードルが下がります。
そして、投資家としても、貸金業者のようになってささやかな利息をもらうために資金を出しているわけではないので、「社債」である意味は、実は余りありません。
「社債」をとったらどうなるのか?
単なる新株予約権になります。
新株予約権については、以下の記事で説明したとおりです。
そして、この新株予約権の発行要領や投資契約に、前回のnote(本note冒頭でリンク引用)で説明したディスカウントやバリュエーションキャップの条項を組み込めば、投資家にとっても旨味があり、かつ、バリュエーションを先送りすることができる仕組みの完成、ということになります。
次回、もうちょっと具体的にこの内容を解説していきます。
今日も1万回の失敗と挑戦を繰り返す起業家・スタートアップを応援しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?