意識研究、量子論、仏教の接点が見えてきた。気がする(その1ー寸止め)
意識研究をやっていると、その研究費獲得のために書く書類の中で、
「この研究は科学と宗教の対話に貢献する」
とかそういうことを書きたい時がある(ちゃんと覚えていないが書いたことも多分ある)。これまでははっきりと「どのように」貢献する、ということは書いていなかった。おそらく、審査員に突っ込まれたらはっきりと返す言葉をもたなかった。自分の中でその関係性は確実にあったが、それを言葉にできるほど、明確な形をもっていなかった。
だが、最近私たちが提案している「関係性」をもとに意識研究をすすめる、というアイデアを突き詰めていくと、量子論や仏教というものに行き着くことが必然だということに気がついてきた。
特にそれがはっきり感じられたのは、カルロ・ロベッリ著「世界は『関係』でできている」だ。この本は、量子論の始まりから、その不可思議さを説明し、それがどのように哲学、とくにナーガルジュナ(龍樹)の「空」という思想に関係するかを説明している。最後の方は、意味・意識・情報・進化についてもロベッリの考えが説明してある。
この本は、北海道大学の田口さん、吉田さんのトークをYoutubeで見てたら、そこのコメント欄に佐藤俊夫さんという方が、
「意識について、カルロロヴェッリの新しい本「世界は関係でできている」にみんな書いてあります。セーラー服おじさんの疑問は、第6章だけ読んでも解決すると思います。」
と書いていた。 本当か? と思い、本をダウンロードしてみた。
カルロは、以前FQXiという学会で見かけたことがある。その時は、どんなトークにも質問するひとで、ただ、彼の主張はあまりよくわからないなぁ、という印象があった。Sean Carol のPodCastでも、当時はquantum gravityの話はよく知らないのであんまり頭に入ってこなかった記憶がある。
カルロの本は最初に6章の意味・意識のところだけ読んだが、あんまり納得しない部分が多かった。
しかし、1−5章を順におっていき特に5章でマッハ・ボグダーノフ・ナーガルジュナが出てくるあたりで、かなり衝撃を受けた。カルロが言っていることは、非常にわたしが考えていたことに近い。
まだまだ勉強中だが、マッハとニーチェや西田幾多郎の思想、龍樹の空の思想とか、かなり関係性が見えてきた。ある程度考えがまとまったらブログに書いていこうと思う。
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