お題「始まり」(掌編小説)

人生初ライブは、親に連れて行かれた小学生の頃。
開始直後から、音の洪水に溺れた。体にぶつかり揺さぶり動かす音。
思いをぶつけてくる歌声に、声を張り上げ拳を突き上げ髪を振り乱し全身で返す。
終わればぐったりしていたけれど、笑っていた。
音の洪水の中で生きたい。
それが、夢の始まりだった。

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