お題「正当性」(掌編小説)

自分が父母の実子ではないと知った彼は、王位を退くと決めた。
血統の正当性がない、と。
「陛下が誰の子かを承知した上で、先王は陛下に王位を譲られたのです。陛下は正当な王です」
宰相の言葉に、彼はゆっくりと瞬いた。
「この事実を世に知らしめる」
その後、彼は賢王と讃えられる王となった。

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