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サンタンブロース(Sant Ambroeus):クラシカルな雰囲気の老舗カフェ、ミラノの守護聖人アンブロシウスとの関係

今回のnoteでは、ミラノの守護聖人の名前を冠したカフェサンタンブロース(Sant Ambroeus)について書いていきたい。

ミラノのビジネス街サン・バビラ地区にあるこのカフェが誕生したのは、1936年。 


創業者のテレーザ・カッタネオ(Teresa Cattaneo)によって創業したこのカフェは、80年以上もマッテオッティ通り(Via Corso Matteotti)に店を構えている。

※2023年3月追記: 本店は2022年にリニューアルしたので、以下、元の記事を書いた2019年の写真と2023年に撮った写真をもとに追記していく。

2021年頃までは落ち着いた色の鏡板、黒い大理石のカウンター、きらめくシャンデリア、深緑の外装といった瀟洒な店舗の造りであったが、リニューアルを経て2022年に再オープンしたサンタンブロース。

旧店舗の様子

2022年に新装オープンした後のカウンターとショーケースの様子はこちら。



店名のサンタンブロース(Sant Ambroeus)の由来は、勿論、ミラノのの守護聖人アンブロジウス(Ambrosius/ Sant'Ambrogio; 340?- 397年)。

アンブロジウスは、有能な官僚であったが、キリスト教徒でなかったにもかかわらず、その人望と能力を認めた民衆に求められたことによって、374年、洗礼を受けてメディオラヌム(現ミラノ)の司教に就任する。

異端派の教義を抑圧し、キリスト教の正統派信仰の推進に勤めるアンブロジウスであったが、ギリシア語に精通していたために、東方教父から学び、それを西方世界に伝えていたという。

サンタンブロースの、お菓子の袋やパッケージには、この守護聖人アンブロジウスの生涯がプリントされている。

砂糖の袋にも印刷してあり、ついつい見てしまう。


実はこのカフェ、筆者がミラノで初めて訪れたカフェであった。

数年前のことであったが、1日だけミラノに滞在した。

夏の暑い日にアイスコーヒー(Caffè Freddo)を頼んだが、この時は、バールではテーブル席とカウンター席の値段が変わることを知らずに、のんびり席に座って涼んでいた(それもそれで優雅)。

★テーブル席とカウンター席の違い、バール文化について書いた記事はこちら→「イタリアのバール文化とは?:ミラノ・ガレリア内の老舗サヴィーニより: Savini

サンタンブロースには、パスティチーノからパニーニ、ミニピッツァまで揃っており、スーツを着たビジネスマンや地元の人が集まっている。

ジェラートのカップも可愛い。

値段としては、サン・バビラという場所もあってか、ちょっと高め。

エスプレッソ1.4ユーロ(エスプレッソ1杯の値段がお店の値段帯の目安)にパスティチーノは1個1.8ユーロ。

カプチーノは2ユーロ。




それでも店内は、クラシカルな雰囲気で落ち着いている。

ミラノの歴史に思いを馳せながら行ってみたいカフェである。

サンタンブロース(Sant Ambroeus)

住所:Corso Matteotti, 7, 20121 Milano, Italy
営業時間:7:45-20:30(月曜から土曜)/ 8:45-20:30(日曜祝日)

公式サイト:santambroeus.com

公式インスタグラム:@santambroeus

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