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ミラノのカフェ・パスティチェリア10選 vol.4:イタリアのお菓子を食べるならここ、朝食からランチ、アペリティーボまで


2019年秋にミラノのカフェ・パスティチェリアのまとめを書いたが、今年もいつの間にか新しく行ったお店の写真がたまっていたのでまとめを書いていくことにする。

去年も同じようなことを書いたが、イタリアのパスティチェリア(Pasticeria;菓子屋)は、ただのデザートショップであるだけではなく、大体コーヒーが飲めるカウンターかテーブルが店内にある。

それどころか、朝から開いてるお店も多く、カプチーノまたはオレンジジュースとブリオッシュなどの甘いパンといったイタリア式の朝食を味わえるも店も多い。

紹介する中には、営業時間などがそれに当てはまらないお店もあるが、このnoteに書いていくお店は大体が、ミラノで朝からコーヒーとお店を楽しむことができるパスティチェリア・カフェである。

それでは早速、紹介の方に移ることとしよう。


参考:



1. ヴェルガーニ(Vergani)

まずロレート駅近くにある1944年創業のヴェルガーニ(Vergani)。

こちらはミラノ市内にいくつかの店舗を展開しているオリジナルのパネットーネが有名なパスティチェリアである。

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ヴェルガーニの創業年である1944年という年号とロレートという場所。

このことから、ファシスト党を率いたベニート・ムッソリーニ(Benito Amilcare Andrea Mussolini;1883-1945)が1945年に処刑された後、ロレート広場に吊されたことを思い出し、ヒヤリとしたが...

ヴェルガーニ自体は、元々違う場所で創業しており、このロレート駅近くのお店が創業当時の1940年代からあったというわけではないようである。

(ちょっとほっとする)

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お店の前には値段表が張り出されており明朗会計である。

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店内に入るとバールスペースのほか、パネットーネ売り場が目立つことに気づく。

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訪れたのは2020年10月であったが、この時点でクリスマス菓子のパネットーネがこれだけ並んでいた。

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ひょっとしたら通年で売っているのかもしれないが(確認必要)、一つのメーカーからこれほどまでに種類豊富なパネットーネが出ているのもなかなか貴重である。

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オリジナル商品のほか、イタリアを代表するチョコレートメーカー・ヴェンキ(Venchi)の商品も陳列されていた。

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大きなパネットーネは食べることができないという人にもお勧めなミニサイズのパネットーネ100gが2ユーロで売られていた。

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バールスペースにはクッキーやチョコレート、注文を受けてからクリームが入れられるシチリア 菓子カンノーリなどがあった。

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もちろん名物のパネットーネも。

パネットーネを一つ買うとのなると1kgくらいの重さになるし、いいところのものだと値段も張るのだが、このようにバールで気軽に一人前を試せるのはいいことである。

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一人前のパネットーネは1.5ユーロ。

今年のパネットーネは何にするか選ぶためにも、ちょっとバールで試すことができるのである。


また色とりどりのチョコレートに目が奪われた。

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エスプレッソは、1ユーロ。

客足が絶えない店内はとても賑わっていた。

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飲み終わった時に気づいたのだが、コーヒーソーサーにはパネットーネの絵が描かれておりとても可愛らしかった。

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またヴェンキのチョコレート詰め合わせはここでも行えるみたいなので要チェックである。

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ヴェルガーニ(Vergani)

住所:Via Saverio Mercadante, 17, 20124 Milano, Italy

営業時間:7:30-19:30(月曜から土曜)、7:30-13:00(日曜)

公式ホームページ:panettonevergani.com


 

2. パウゼ(Pause)

こちらはリマ駅(Lima)のすぐ近くにあるエスプレッソバー。

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ブリオッシュやケーキ、マフィンなどの焼き菓子のほか、パスタなどの食事メニューもある。

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何よりも店内では、アクセサリーや小物など、趣味の良い雑貨が販売されており、そのディスプレイも素敵である。

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「それどこで買ったの?」と言ってもらえそうな、さりげない、洗練されたデザインの小物についつい見入ってしまう。

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マキアートを片手にのんびりできるカフェである。

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パウゼ(Pause)

住所:Via Federico Ozanam 7, 20129, Milano, Italy

営業時間:9:00-22:00(日曜定休)

公式facebook:pausemilano




3. トッレファツィオーネ・カッフェ・エルナーニ(Torrefazione Caffè Ernani)

エスプレッソが主流のイタリアのバールでは、イリー(illy)やラヴァッツァ(Lavazza)と言った大手メーカーのエスプレッソの元を使うことが多く、意外にも自家焙煎のお店は少ない。

そんな中でも「トッレファツィオーネ」(torrefazione;自家焙煎)と名前に付いているお店は、挽きたてのコーヒーを味わえるお店として注目である。

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こちらは、ミラノの一大ショッピングスポットでもあるブエノス・アイレス通りに位置する自家焙煎珈琲のお店エルナーニ(Ernani)である。

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店内ではコーヒー豆のほか、コーヒータイムがより楽しくなるグッズやお菓子などが販売されている。

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『エルナーニ』とは、ミラノ・スカラ座を代表する音楽家ヴェルディの代表作からその名前を取っているらしい。

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バールスペースでは、ひきたての珈琲を味わうことができる。

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ちょうどハロウィンシーズンということもあって、南瓜のオブジェが置かれていた。

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カフェマキアートにしてもらったが、とても香ばしくミルクとの相性が抜群である。

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またここでもヴェンキ(Venchi)のチョコレートが一つ一つバラ売りされており、コーヒーとのマリアージュを楽しめること間違いなしである。

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そのほか、キャラメルなど様々なお菓子が並んでいたが、どのパッケージデザインも素敵である。

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エルナーニのコーヒー豆は、オンラインのショップでも販売しているとのことなので要チェックである。

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トッレファツィオーネ・カッフェ・エルナーニ(Torrefazione Caffè Ernani)

住所:Corso Buenos Aires 20, 20124 Milano, Italy

営業時間:7:00-19:30(月曜から土曜)、8:00-19:30(日曜)

公式ホームページ:caffeernani.com



4. メマ・カフェ(Memà Cafè)

こちらはポルタ・ヴェネツィア駅(Porta Venezia)近くのシチリア風のカフェバールである。

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ピンクがポイントの外装や内装はとてもお洒落である。

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朝早くから深夜まで、1日中使うことができるカフェ。

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シチリアのマヨルカ焼きのようなオブジェもあり、エキゾチックな雰囲気である。

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またカンノーリやカッサータなどのシチリア菓子のほか、ビスコッティやブリオッシュなどイタリアの定番お菓子も揃っている。

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外にはテラス席も多く設置されており、アペリティーボにも最適なお店だと印象を受けたのであった。

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メマ・カフェ(Memà Cafè)

住所:Largo Fra Paolo Bellintani, 2, 20124 Milano, Italy

1営業時間:7:00-3:00 am(火曜から日曜)、7:00-24:00(月曜)

公式ホームページ:memamilano.it



5. ラ・テイエラ・エクレッティカ(La Teiera Eclettica)


こちらは茶葉専門店にティーサロンが併設したお店である。

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主に中国や日本のお茶を取り扱っており、そのほか茶器やお茶うけも販売されている。

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創業は2004年だが、ここミラノに店舗が誕生したのは2014年のこと。

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鉄瓶などなかなかイタリアではお目にかかれないものもここにはある。

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小豆クリーム(7.5ユーロ)を発見しちょっと気になってしまった。

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ティーサロンで飲むことができるお茶はとにかく種類が多く、一杯5ユーロから。

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お茶一杯の値段としてはとても高く感じるかもしれないが、こだわりの茶葉を最高の状態で入れてくれる。

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緑茶や抹茶を飲もうかと思ったけど、アーモンドミルクで作ったヴィーガンのティーラテ5ユーロとお茶のクッキー盛り合わせ3ユーロと頼んだ。

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クッキーがたこ焼きを入れるような舟形に入っているのはなかなか面白かったが、茶葉がふんだんに入っておりどれも美味しかった。

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お昼休みがあるため営業時間には注意だが、日本式や中国式のティータイムを味わいたい人にはお勧めである。


ラ・テイエラ・エクレッティカ(La Teiera Eclettica)

住所:Via Melzo, 30, 20129 Milano, Italy

営業時間:9:30-13:30、15:00-19:00(月曜から木曜)、10:00-19:00(金・土曜)、15:00-19:00(日曜)

公式ホームページ:teieraeclettica.it



6. クアットロ・クアルティ(Quattro quarti)

こちらはフランス風のブーランジェリー・エガリテの隣にあるケーキ屋さんである。

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こじんまりとした店内にはきちんとカフェスペースもある。

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泡立て機の洒落た照明。

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扱っているものは、家庭の味を思わせるようなどっしりしたケーキたちである。

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メレンゲがのったレモンパイやエッグタルトなど。

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またこちらで扱っているコーヒーは、先ほど紹介したエルナーニ(Ernani)の豆を使って淹れられていた。


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がっつりお腹にたまるケーキを食べたい人にはお勧めなお店である。

しかしこのエリアはパン屋やケーキ屋さんが多いなという印象である。


クアットロ・クアルティ(Quattro quarti)

住所:Via Melzo, 22, 20129 Milano, Italy

営業時間:10:00-19:30(火曜から木曜)、10:00-19:00(金曜)、10:00-14:00/ 16:00-18:30(土曜)

公式ホームページ:quattroquartitorte.it



7. ピーポーズ・プレイス(People's Place)

こちらはポルタ・ヴェネツィアのTommy Hilfigerのブティックに併設するカフェレストランである。

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シンプルな外装であるが中は奥行きがあり、バールスペースとレストランに分かれている。

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通りに面した席もすっきりして落ち着いた感じ。

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ブティック併設バールといいつつも色とりどりの焼き菓子の種類の豊富さに驚く。

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またエスプレッソに付いてきたクッキーもラヴァッツァのものであったが、バターの風味がしっかりしていてコーヒーによく合う。

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緑いっぱいのテラス席も素敵なカフェであった。

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People's Place

住所:Piazza Guglielmo Oberdan, 2/A, 20129 Milano, Italy

営業時間:12:00-22:00(月曜定休)

公式Facebook:people's place


8. グラン・カフェ&トレ・マリエ(Gran Cafè &Tre Marie)

3人のマリアという意味のこちらのカフェ、イーゾラ地区にも同じ名前のカフェがあり、系列店かなと思ったが公式サイトが見つけられず分からずじまいであった。

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こちらはポルタ・ヴェネツィアからピアーヴェ通りをしばらく歩いたところにある。

それにしてもこの通りはカフェやブティックが充実しているなと最近になって色々発見した。

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3人のマリアとは新約聖書によると
聖母マリア
マグダラのマリア
クロパの妻マリア(聖母マリアの姉妹)とのことであるが、3人目のマリアはあまり絵画でも見ない気がするのであった。


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店内にはオリジナルの種類豊富な菓子が並ぶ。

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ハロウィン仕様のお菓子やハリネズミのチョコレートなど。

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ケーキも美しい仕上がり。

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またイタリアの各有名菓子メーカーの商品が種類豊富に扱われていることにも注目。

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パッケージが素敵なリキュールも。

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ドルガバのピスタチオクリームとヘーゼルナッツクリームは、シチリアらしい華やかなパッケージである。

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レジ脇にはレオーネのキャンディも。

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カウンターでマキアートを頼み休憩。

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ギフト用のお菓子の品揃えはピカイチだったカフェなので、ここでお土産を探すのも良いかもしれない。

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グラン・カフェ&トレ・マリエ(Gran Café &Tre Marie)

住所:Via Giovanni Morelli, 4, 20129 Milano, Italy



9. アドルフォ・ステファネッリ(Adolfo Stefanelli)

正統派のパスティチェリアといったところのアドルフォ・ステファネッリ。

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店内のショーケースには華やかなお菓子たちが並ぶ。

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1人分のケーキ(monoporzione)や、

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ホールケーキ、

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そして一口サイズのパスティチーノ1.2-1.5€などなど、どれも見た目も美しく、選ぶのに困ってしまう。

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カウンターのディスプレイもとても洗練されている。

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ミニピザ1€が可愛らしくて思わず撮ってしまった。

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店内のカウンタースペースは十分にあるが、奥の方にテーブル席もあった。

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カウンターでパスティチーノとエスプレッソを頼んだ。

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パスティチーノは1つ1.5€、エスプレッソは1€。

無花果がのったミニタルトとメレンゲが美しいミニレモンタルト。

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いずれも直径2cmほど。

メレンゲに散らされた飾り花が綺麗。


次に訪れた時も無花果のミニタルトと今度はミニクリームブリュレを頼んだ。

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一口の幸せである。


アドルフォ・ステファネッリ(Adolfo Stefanelli)

住所:Viale Premuda, 12, 20129 Milano, Italy

営業時間:7:30-20:00(月曜定休)

公式ホームページ:adolfostefanelli


10. パニフィチオ・モロシーニ(Panificio Morosini)

こちらはパスティチェリアというよりもベーカリーなのだが、パンと共に種類豊富なお菓子やデリが販売されていた。

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店内のショーケースはとても広い。

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また奥にはシンプルなパンが並んでおり、こちらを買い求める人が次々と入っていた。

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野菜のデリなどイタリアの定番おかずたち。

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お菓子もカンノーリやフルーツタルトなど色々。

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ハロウィン用のクッキーやナッツタルト、ブリオッシュなどなど。

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のんびりと席でパンを食べながら新聞を読みふけるおじいさんも見かけられた。

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気取らない地元のお店という感じである。

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パニフィチオ・モロシーニ(Panificio Morosini)

住所:Via Spartaco, 25, 20135 Milano, Italy

営業時間:7:00-19:30(月曜から土曜)、8:00-12:30(日曜)



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今回はリマ駅からポルタ・ヴェネツィア駅、リソルジメント地区周辺のお店を中心に紹介した。

実は第5弾も控えているので、まだあるの?という感じかもしれないが、今しばらくお付き合いいただきたい。


(文責・写真: 増永菜生 @nao_masunaga)

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