イジニオ・マッサーリ(Iginio Massari):ブレシア発のパティスリー、2018年にミラノに進出したばかりの隠れた名店
写真を撮る観光客の方々とミサンガ売り、鳩の餌売りの人々でごった返す(それゆえにスリも多いから注意)というのは、ミラノの大聖堂(Duomo)前広場では見慣れた光景である。
そんな喧騒を抜けて、20世紀美術館の脇の道を行くと一つのパティスリーがある。
オーナーのイジニオ・マッサーリ(Iginio Massari; 1942-)は、ブレシア生まれ。
16歳の時には街のベーカリーで働いていた彼は、技術を学ぶために、スイスに渡り、そこで、パティシエとショコラティエとしての経験を積んだ。
さらに、イジニオは、菓子メーカーのバウリ(Bauli; 1922年創業、ヴェローナを拠点とする。クリスマスの時期のパネットーネとパンドーロで有名なメーカー)で働いた後、ブレシアに戻り、有名店でマネージャーや菓子職人として活躍した。
1971年には、ブレシアにて「パスティッチェリア・ヴェネト」(Pasticceria Veneto; Via Salvo D’ Acquisto, 8, 25128)という工房をオープンさせた彼は、そこで、様々な菓子を創作するようになった。
(お土産用のお菓子も豊富)
その後も、国内外のコンクールや大会で数々の賞を獲得し、またテレビ番組にも積極的に出演してきたイジニオ。(日本のNHKの番組にも出演したことがあり)
そんな彼は、満を持して、2018年3月14日、ミラノのドゥオーモから徒歩1分という好立地にバール兼パスティチェリアをオープンさせた。
まずミラノ店に入ると目に飛び込んでくるのが、色鮮やかなアントルメや一口サイズのパスティチーノたち。
その他、マカロンやブリオッシュ、チョコレートなどなど。
またミラノ店のメニュー表を見てみると、エスプレッソ1.2ユーロと立地を考えたらリーズナブル。
ドゥオーモのすぐそばという便利な場所柄、筆者は何度も足を運んでいる。
レモン、ピスタチオとオレンジ、ホワイトチョコレートとラズベリー、ピスタチオなどなど、パスティチーノ1個1.5ユーロととエスプレッソ1.2ユーロのカフェタイム。
お菓子が一つ一つ美しい作りなのもこのお店の魅力。
どれにしようかいつも決めがたいというのは、贅沢な悩みである。
ドゥオーモ周辺は、その近くにガレリア内にあるマルケージ(Marchesi)やサヴィーニ(Savini)など、ミラノの人々に愛される老舗レストラン・パティスリーがある他、様々な客層をよびこめるチャンスの地であるとともに飲食店に限らず新旧の店が集まる激戦区でもある。
そんな心配をなんのその、特に平日は、バスターミナルを抜ければオフィスが並んでいるせいか、観光客というよりもスーツを着たビジネスマンたちの姿でよく賑わっている。
新しい店も実力があれば瞬く間に街の人に受け入れられる。
ビジネスの街、ミラノならではのスピードのような気がする。
★参考:dissapore(2018年3月9日付記事)
イジニオ・マッサーリ(Iginio Massari)
住所:Via Marconi 4/ Piazza Diaz corner, 20122 Milan, Italy
公式ホームページ:iginiomassari.it
(オンランインショップでは主に焼き菓子も扱っている)
営業時間:7:30-20:00(月曜から金曜)、8:00-20:00(土曜)、8:30 - 20:00(日曜)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?