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ミラノの美術館・文化施設併設カフェ・バール 10選

ミラノといえば、商業、音楽、アート、サッカー、ファッション... などなど、ミラノ都心は、こじんまりとしながらも沢山の見所がある。

その中でも、美術館やギャラリーといった文化施設を見てみると、フィレンツェほどはルネサンス期を対象とした施設はなく(というよりも、フィレンツェは群を抜いてイタリア・ルネサンス期の繁栄を今に伝える街である)、ロンドンやパリほどは現代アートを対象とした施設は多くない印象である。

それでもミラノには、有名な作品を所蔵する公立の美術館や、財団が経営する文化施設などが、点在しており、どれも見所のあるものとなっている。

そんな施設に併設するバールやカフェもまた、それぞれのコンセプトのもと運営されており、鑑賞後に立ち寄りたいスポットとなっている。

ここでは、ミラノの美術館・文化施設併設バールを紹介していきたい。


1. バール・ルーチェ(Bar Luce); プラダ財団美術館内

プラダ財団が運営する文化複合施設、フォンダツィオーネ・プラダ(Fondazione Prada)内のバール。

門をくぐって左手、金色の建物が見える方に、そのバールはある。

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このバール・ルーチェ(Bar Luce)をデザインしたのは、『グランド・ブダペスト・ホテル』(Grand Budapest Hotel)や『犬ヶ島』で有名な映画監督ウェスアンダーソン。 

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ミラノのガレリアや1950年のイタリア映画の世界観をモチーフにしているという内装。

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淡いグリーンやピンクの色合いがキュート。

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またフードは、ミラノの老舗バールであるマルケージ(Marchesi 1824)が担当。

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コーヒーやアルコールなどの他、ケーキやパニーニを食べることができる。

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プラダ財団美術館は広い。

鑑賞後にこのバールに寄り、足を休めつつ、ゆっくりと作品の余韻に浸るのも良いかもしれない。

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《店舗情報》

住所:Largo Isarco 2, 20139, Milan(Fondazione Prada内)

公式HP:fondazioneprada.org

営業時間:9:00-20:00(月・水・木曜日)、9:00-22:00(金・土・日曜日)、火曜定休


2. ヴォーチェ(Voce); ガレリア・ディタリア(Galleria d’Italia)内

スカラ座の目の前にある美術館ガレリア・ディタリア(Galleria d'Italia)内のカフェ・レストランヴォーチェ

50年以上続く老舗アイモ・エ・ナディア(Aimo e Nadia)が、こちらのレストランに参入した。

食材にこだわり、ワインリストも充実しているというレストラン。

一見格式高く思われるが、カフェスペースには、パニーニやドルチェなどが並び、気軽に利用できるようになっている。

また、ブックショップも併設しているため、展示の図録を眺めながらくつろぐことができるカフェである。


《店舗情報》

住所:Piazza della Scala, 6, 20121, Milano

公式ホームページ:voceaimoenadia.com

カフェテリア・ヴォーチェ(CAFFETTERIA VOCE)
営業時間:8:00 -20:00(木曜のみ8:00-22:30)

リストランテ・ヴォーチェ(RISTORANTE VOCE)
営業時間:11:30 -15:00 / 19:00-23:00(日曜定休)

ブックショップ(LIBRERIA)
営業時間:9:30 -19:30(木曜のみ9:30-22:30)


3. ル・バール(LùBar): ミラノ市立近代美術館内

緑豊かなミラノ市立近代美術館内にあるカフェ、ル・バール(LùBar)

もともと、ケータリングに向いた小さなアペ・カー(Ape Car; 移動販売に向いた小型のオート三輪)によって、ギャラリーや美術館内で、展覧会初日などのイベントに出展していたル・バール。

2015年にはミラノ・中央駅(Stazione Centrale di Milano)内に、テラス席の店舗を出店。

さらに、2017年4月、ここミラノ私立近代美術館(Galleria d’Arte Moderna)内に、カフェを開店するに至った。

アペ・カーから美術館併設カフェへと、見事なサクセスストーリーをたどったル・バールであるが、その内装のデザインは秀逸。

カウンターや席など、細部までこだわった空間で、美味しい食べ物を楽しみたい(室内のテーブル席は混雑時時間制となる)。


《店舗情報》

住所: Villa Reale, Via Palestro 16, Milano

営業時間:8:00-24:00(月曜定休)

公式ホームページ:lubar.it(予約フォームあり)

公式インスタグラム:@lubar


4. アルマーニ/ シーロス カフェ(Armani/Silos Café):アルマーニ・シーロス内

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ジョルジオ・アルマーニの美術館アルマーニ・シーロス(Armani/ Silos)内には、来館者だけが利用することができるカフェがある。


ドリンクメニュー・フードメニュー共に、豊富なラインナップ。

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 なお、席料によって値段が変わることがないため、座ることができて、エスプレッソが1.5ユーロとは、お得である。

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ブリオッシュやジュース、サラダやパニーニなどなど。

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こちらは、2.5ユーロのカプチーノ。

飲み物についてくるチョコレートや砂糖にもAの文字が入っている。

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カフェの中は、広々としており、落ち着いた空間であると共に、緑が鮮やかなテラス席もある。

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特別展に加え、過去のコレクションなどが展示された常設展が充実しているアルマーニ・シーロス。

来館者しか入れないカフェということで、鑑賞後には是非立ち寄りたいカフェである。


《店舗情報》

住所: Via Bergognone, 40 Milano, Italia

公式サイト: Armani/ Silos

公式facebook: Armani/ Silos

営業時間:11:00-21:00(木曜から土曜)、11:00-19:00(水曜、金曜、日曜)

※美術館の入場料は 大人 12ユーロ。

    


5. カッフェ・フェルナンダ(Caffè Fernanda):ブレラ美術館内

ブレラ美術館内にあるカッフェ・フェルナンダ

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深みのあるブルーの壁にかけられた絵画や色味の美しいカウンターがマッチしている。

カウンターでは、カプチーノ1.5ユーロとリーズナブルである。

また回廊をのぞむテラス席もあり、そこでランチを楽しむ人で賑わっていた。


《店舗情報》

住所:Via Brera, 28, Milano

営業時間:8:30-19:00(火曜から金曜)、8:30-19:00(土曜日曜)、

※第一・第三木曜日は22時まで営業

公式ホームページ:caffefernanda.com



6. ジャコモ・カッフェ(Giacomo Caffè);パラッツォ・レーアレ内

ミラノの大聖堂(Duomo)の正面向かって右手の方に、美術館となっているパラッツォ・レアーレ(Palazzo reale; 王宮)がある。

その中に併設するジャコモ・カッフェは、とてもクラシカルな内装。

この系列のレストランやパスティチェリアが市内に何店舗か展開しているとのこと。

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華やかな内装のバールも魅力的だが、ジャコモ・カッフェのように、古い石造りの建物に赤いソファーやテーブルが据えられた雰囲気も味があって良い。

《店舗情報》

住所:Piazza del Duomo 12, 20121, Milano

営業時間:8:00-19:30(日曜から水曜、金曜)、8:00-22:30(木曜、土曜)

公式ホームページ:giacomomilano.com



7. トリエンナーレ・デザイン・カフェ(Triennale Design Cafe):トリエンナーレ・ミラノ内

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特にサローネの時期には賑わいを見せるトリエンナーレ・デザイン美術館。

現代アートや建築についての企画展が常時開催されている。

そんなトリエンナーレ・デザイン美術館の1階、奥の方には、カフェ・レストランがある。

レストランは左、カフェは右とスペースが区切られており、カフェスペースではパソコンを開いて作業している人が見受けられた。

カフェメニューを見てもエスプレッソ1.1ユーロとお手頃。画像14

ショーケースのスイーツ、ブリオッシュ、サンドイッチなど。

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こちらは、1.1ユーロのエスプレッソ。

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またこのカフェのすぐ近くにあるトリエンナーレ・デザイン美術館のブックショップは、世界各国のデザイン関係の資料や写真集、文具を扱っており、見応えがある。

観て、食べて、買って楽しめる美術館である。


《店舗情報》

住所:Viale Emilio Alemagna 6, 20121 Milano 

営業時間:10:30-20:30(火曜から日曜)

公式ホームページ: triennale.org


8. 10 コルソコモ(10 Corso Como)

別冊版『Vogue Italia』(ヴォーグ イタリア)の元編集長カルラ・ソッツァーニ(1947-; Carla Sozzani)が、セレクトショップとしてオープンさせたコルソ・コモ

実際に、美術館・文化施設とは少し異なるかもしれないが、ここのギャラリーでは随時、コルソ・コモがキュレートした企画展が開かれている。


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コルソ・コモ入ってすぐの庭には、カフェレストランがあるが、さらにそこを進んで、建物の中に入ると、バールスペースがある。

ランチからアペリティーボまで、フードやアルコールも提供するレストランは、少し値段が高めであるが、バールスペースは気軽に利用することができる(ただしバールメニューは飲み物数種に限定される)。


《店舗情報》

住所: Corso Como 10, 20154, Milano, Italy

公式HP: 10 Corso Como

営業時間:

《ショップ&ギャラリー》 10:30-19:30(年中無休) 

※水・木曜日のみ 10:30-21:00

《レストラン》12:30-15:00/ 19:30-23:00(年中無休)

《カフェ》10:30-25:00(年中無休)



9. ムデック|ビストロ(MUDEC| Bostrot):ムデック内

ポルタ・ジェノヴァ駅から徒歩数分、アルマーニ/ シーロスの近くにある美術館ムデック(MUDEC; Museo delle Cultura)

広々とした建物では、古いものから新しいものまで、様々な企画展が随時開催され、人々の話題となっている。

この建物を設計したのは、イギリスの建築家デイビット・チッパーフィールド(Sir David Alan Chipperfield; 1953年-)


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ビストロのスペースは、開放感があり、席数も多い。

デザイン性のあるロゴが建物のいたるところに散りばめられている。

またカフェメニューも、エスプレッソ1.2ユーロと買い求めやすい価格の上、席料がかからない。

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また、広々としたムデックのミュージアムショップには、注目のアーティストの作品が販売されている。

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ディスプレイも美しく、ついついアクセサリーケースの前で足を止めてしまう。

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食器や小さな家具も扱っており、気の利いたお土産を探す人は、必見である。

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《店舗情報》

住所:Via Tortona 56, 20144, Milano

営業時間:7:00-23:00

公式ホームページ:mudec.it


10. フォワイエ(Il Foyer):ミラノ・スカラ座併設

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文化施設ということで、ミラノ・スカラ座に併設するカフェ・レストラン、を取り上げる。

もともとスカラ座に併設するカフェ・レストランを運営していたのは、2017年に惜しまれつつ亡くなった、イタリア料理界の巨匠グアルティエーロ・マルケージ(Gualtiero Marchesi)。

マルケージ氏といえば、金箔がのった黄金のミラノ風リゾットというほど、ミラノ風リゾットを確立した人物としても有名。

2019年5月、マルケジーノ氏が運営していた「イル・マルケジーノ」は一旦営業を終了し、新たなカフェ・レストラン「イル・フォワイエ」(Il Foyer)として生まれ変わった。

右側がレストラン、左側がバールとなっており、赤の大理石のカウンターにソファーが格調高いバールにはコーヒーを飲みに来る人が次々と訪れていた。

一口サイズのケーキからサンドイッチ、クロワッサンなど、きらびやかなショーケースに並ぶフードたち。

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一部のメニュー。

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少し値段は相場より高めであるが、高級で洗練された雰囲気でゆっくりすることができる。

また空いていた時間帯ということもあり、バリスタの方が、私をソファー席に通してくれ、水も提供してくれた(イタリアでは水は無料ではないのが普通である。たまに水もコーヒーと一緒にサーブしてくれるバールがある)。

なかなか高級レストランには入れないかもしれないが、まずは、バールから、気軽に利用してみても良いかもしれない。


《店舗情報》

住所:Piazza della Scala Ang, Via Filodrammatici, 20121, Milano

営業時間:8:00-24:00(月曜から土曜)

公式ホームページ:m.marchesi.it





鑑賞するだけではなく、食べて・飲んで楽しむことができる美術館や文化施設。

アルマーニ・シーロス以外のカフェ・バールは、美術館の入場券を買わなくても、カフェだけの利用も可能なため、それぞれのお店の世界観を手軽に楽しみたいという人たちにも是非お勧めな場所である。

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