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カフェ・コヴァ(Cafe Cova):ミラノで愛される老舗カフェ・コヴァとスカラ座の関係


モンテナポレオーネ通り(Via Monte Napoleone)に位置するカフェ・コヴァ(Cova)。

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その歴史はとても古く、創業はなんと1817年。

おそらくミラノで一番の老舗カフェ・バール。

1810年代とは、フランス革命(1790年代)、ヨーロッパの地図を瞬く間に塗り替えたナポレオンの時代(1790年代後半から1800年初頭)、そしてナポレオンの失脚を経て、ヨーロッパ全体で、体制を立て直そうとしていた時期である。

ナポレオンによる進軍は、かつてない規模で繰り広げられたために、1814-15年のウィーン会議にて、ナポレオン以前の状態に各政体を戻す「国際ルール」が確認されたわけである。

そんな激動の時代に産声をあげたコヴァ。

実は創業当初は、ミラノのスカラ座の前に建てられていた。

その名残は、コヴァのカップの絵にも残っている。

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この繊細な絵は、創業当時の19世紀のコヴァとスカラ座を物語るものである。

独立運動の機運が高まる19世紀のミラノをスカラ座のそばで見つめ続けたコヴァ。

1860年代にガリバルディによる国家統一運動(リソルジメント)が行われ、ようやくイタリアという「国家」が登場した時にもコヴァは、スカラ座のもとにあった。

因みにこちらのカップは購入可能。

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またコヴァは、19世紀当時より、文化人が多く通う洗練された店であったという。

ところが第二次世界大戦によってこのスカラ座の店舗は消失し、今のモンテナポレオーネ通りに移転したのが1950年、まさにイタリアが戦災から奇跡の復興を遂げた時期である。

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1993年、香港進出を皮切りに、ドバイ、モナコ、北京、上海、深圳、台北、台湾などアジアを中心に国際的に店舗を展開するようになったコヴァ。

2013年にはルイ・ヴィトングループ(LVMH)の傘下に入った。

時代によってその姿を変えてきたコヴァであるが、その中で提供されるフードとドリンクは、伝統的なイタリアのものである。

一口サイズのパスティチーノ(Pasticcino)は、基本的に1.5ユーロ。

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カウンターでは、1.2ユーロのエスプレッソと合わせて気軽に試すことができる。

(テーブル席では値段が異なるので注意)

これらのショーケースのお菓子は持ち帰りも可能。

ブリオッシュやサンドイッチの軽食もある。

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春先には、カーニヴァルのお菓子が並ぶ。

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お土産用のコーヒー、紅茶もあり、

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コンフィチュールやチョコの詰め合わせもある。

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高級ブッティックが立ち並ぶ通りにあるラグジュアリーでシックな店構えらしく、ディスプレイも凝っている。

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一見入るのを躊躇するかもしれないが、カメリエーレは皆にこやかであたたかいお店である。

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近くを訪れたら足を運んでみたいカフェである。


《店舗情報》

公式ホームページ: COVA(カフェ・コヴァ)

住所: Via Monte Napoleone 8, Milan, Italy

電話: +39 02 7600 5599

営業時間: 7:45 – 20:30(月曜から土曜日)、9:30 -19:30(日曜日)

e-mail: info@covamilano.com

Instagram: @pasticceriacova



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