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学校現場でコーチング研修のお仕事

先日、中高の先生方向けに、4日間のコーチング講座を開催しました。
アクティブラーニング推進に向けて有志で勉強会を開催されていてる、
四條畷学園さんの先生方コミュニティからのご依頼です。

理想と現実の中でジレンマを抱えながらも、先生方が日々子供たちに向き合い続けている事がひしひしと伝わる時間でした。

学校、家庭、仕事場、と人の成長フィールドの一つである学校において、子供の成長に大きな影響力のある先生方。

教科指導や学力向上のみならず、こどもたちが自らを探求し、他者との協働の中で問題解決や創造をしていくことを支援していくには、

コーチングのコミュニケーション技術や在り方は有効な材料になりそうです。

4日間のコーチング講座

今回のプログラムでは下記のようなステップを設けました。

①コーチングを頭で理解する

②演習でコーチングを体感する(ティーチングとの違いを体感する)

③自己理解を深め自分の理想を描く(学びの視座を上げる・確認する)

④コーチングの本質や活用を考える

これまでも人材育成で管理職向け、保育・子育てのコーチング講座を実施させていただいたことがありますが、コーチングは一朝一夕には身につきません。


(プロコーチも100時間以上のコーチングセッションでトレーニングを積みますので、前提として技術は日々試しながら磨かれていくもの・・・。)


ですが、頭と体験での理解、活かしたい場での実践を振り返るプロセスを通じて確実に意識できるようになっていきます。 


DAY1|コーチングの基礎

DAY1では、コーチングの基礎を頭で理解する場。

今回、コーチングの基礎で扱っているのは以下の3つです。

コーチング3つの基本
・傾聴
・問いかけ
・認知

コーチングというと「何を問いかけるか?」
を意識する方も多いと思います。

問いかけはもちろん大切ですが、問いかければ人が動くわけではありません。基本は人と人とのコミュニケーションです。

目の前にいるその人を認め、尊重し、人と人とのフラットな関係、信頼関係を築くことが土台です。

そのために、どのように耳を傾けるのか、何を聴くのか、どのような関係性で接するのか

このようなことを共有しました。

DAY2|コーチング演習

DAY2では、コーチングの演習です。

一般的に、講座や研修全てに言えることですが、学んだことを実行する人は2割と言われていますね。

さらに先生方は「Teaching」が日常にある世界。実践の中でコーチングに戸惑いがあったり、頭ではわかっても言動がついていけないこともあるようでした。

聴く立場、聴かれる立場、両方を経験しながら「カン」を磨いていく機会が定着の近道です。コーチングを実施する機会、話し手として聴いてもらう機会を設けました。

演習日のDAY2を設けるとともに、
DAY1〜DAY4のインターバルでも試していただくことをお勧めしました。

学校現場で実際に試しながら、次の回で “うまくいった”、 “うまく行かない"、と感じたことを振り返りシェアするプロセスを過ごしています。

基本スキルの他コーチングの視点にも触れました


DAY3|Tobeを描く

DAY3では、コーチングをどのように活かしていくのか、接続をはかる場を設けました。

ご自身の経験・歴史を振り返りっていただきながら、自分がどのようなことを大切にしているのか、
学級や学校、生徒とのかかわりをどのようにしていきたいのか。

コーチングの演習第2回の位置付けで、先生同士でシェアをしました。

コーチングについて理解することが目的ではなくて、
コーチングを何のために学ぶのか?学びをどのように現場にとりこむのかが、やはり現場にとっては重要だからです。

DAY4|コーチングの活用

対話中心でコーチングについて理解する時間を過ごしました。

先生方のコミュニティでは、コミュニティリーダー発信で、各回終了後に振り返りのレポートを実施。

各回の学び・課題の言語化をされていて、それが個々の学びの振り返りと、チームの学びを深める過程として機能していました。

学校でコーチングの実践を挟みながらでてきた様々な感想とモヤモヤ・・・。

第4回目では、この先生方のモヤモヤを題材に、対話を通じてコーチングへの理解や現場へ活用について考えました。

<対話テーマ>
・コーチング中心にしたら生徒がついてこれないケースも。
 ティーチング、コーチングのバランス使い分け・バランスどうする?

・やりたいことが無いように見える生徒にはどうかかわる?

・1対多のコーチングの取り入れ方
  (⇨クラスの能動性や協働性をどのように育む?)

・そもそもコーチングもコミュニケーションに取り入れることで期待している変化は?

 など。


生徒と話す時、「(あなたは)どうしたい?」とコーチングを意識して使うと、”先生何もしてくれないじゃん”と思われる怖さもある。

こんな感想も聞かれました。

私も一方的にお伝えするのではなく、各テーマについて参加者として一緒に考えたりファシリテーションをする立ち位置で入っています。

テーマは学校現場の先生にとって”あるある”でしょうか。

「先生」を、育成に関わる「管理職や育成担当者」に置き換え、
「こどもや学級」を、「育成対象者や管理組織」に置き換えれば
ビジネス領域でも同様に対話材料になりそうです。

参加前後の変化(アンケートより)

今回の講座に参加する前と後で変化があったことについて、アンケートでお聞きしました。

今回の講座を通じての学びや関心の濃淡はあると思いますが、何かしら得られたと思っていただいた先生方からの感想です。

Q.今回の講座に参加する前と後で変化があったことについてお聞かせください。
①コーチングの基礎知識を知ることができた・理解が深まった
②コーチングの演習を通じて、コーチングを体感②として知ることができた・理解が深まった
③生徒の思考や成長を促すためのコミュニケーションが意識できるようになった
④自分が考えていること、自分の理想について自己理解が深まった
⑤他の先生が考えていること、理想について同僚への理解が深まった
⑥学級や学校でこれから取り組んでいきたいこと、試してみたいことが見えた
回答 n=7

副次的な効果として、先生方同士のコミュニケーションにも良い影響があったようです。

最終日にこの講座を受けての感想を伺ったところ、
「学校内に仲間ができた」そんな風に話してくれた先生がいました。

この言葉を聞いたことで、先生方の対話や協働関係がさらに深まったように見えたことは、私にとっても嬉しい瞬間でした。

同じコミュニティで働く人たちが、
お互いにどんな思いを抱えながら過ごしているのかを知ること。
自分の思いを知ってくれている人がいること。

個々人にとってはとてもエンパワメントされることですし、
思いを共有できることで共に課題や挑戦に取り組んでいくこともできます。

対話によって、思いを知り共有することは
組織のリーダーシップを引き出す第一歩と確信する時間でもありました。

今回のお仕事を通じて考えたこと

・ティーチングとコーチングの使い分け(私なりにも、もう少し考えたい)

・「先生の役割」、「生徒自身に求めらること」をどのように定義づけ関係者で認識を合わせていくと良いか
→ティーチングをしていた先生が突然コーチングを織り交ぜてきたら、
コミュニケーションの変化に驚いたりついていけない人が出てくるのは当然。両者の認識を合わせた支援関係を作る必要があると感じた。

・コーチングをコミュニケーションに取り入れ、「どうしたい?」かを生徒に問いかけてみると、”「先生何もしてくれないじゃん」と思われる怖さ” をいかに乗り越えるか?

これらは私なりにももう少し考えてシェアできればと思っています。

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