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Nao
2022年6月17日 22:24
みっちゃんは、転んでも叩かれても泣かないわたしを、「あいこちゃんは変だ」と言った。わたしからすると、みっちゃんの方が変だと思った。蛙や虫を捕まえたわたしを見て、「やだ、そんな気持ち悪いの」と言った。みっちゃんの方が、気持ち悪い。子供のくせに、いやに背が高い。ませている。「こんな田舎はいやだ。将来絶対に都会で暮らすんだ。」ああ、失敗するだろうな、と思った。別に、みっちゃんのことが嫌いなわ
2022年6月6日 22:20
私は部屋で、ぼうっと窓の外を眺めながらインスタントコーヒーを飲んでいた。よく晴れている昼下がりである。しかし、ここは私の部屋ではない。私は、大学に入学してから、写真部へ入部した。永尾とは、そこで出会ったのである。彼はとにかく幸の薄そうな顔立ちで影も薄く、それに加えて自分から喋ろうとはしなかったし、話しかけられても小さく返事をするのみであった。部員たちは、(少なくとも表面では)意地の悪い人