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凪のお暇

周りに合わせ自分を押し殺しながら暮らしていたOLの凪が、あるきっかけで仕事も人間関係も全て投げ合って、しがらみから解放されるスローライフ日記。
かと思いきや、周りから押し付けられていらと思っていた偏見やねじ曲がった価値観は、自分の奥底にこびりついていて。
自分を変えたい!幸せになりたい!幸せって何だろう?と葛藤しながら、いろんな人のいろんな価値観に出会っていくお話。(個人的解釈)

主人公が「自分の中にある偏見」と向き合う時に、読んでいる私も一緒に向き合うことに必然となるので、それがキツい。
掲載中で新刊が出るのを待っている漫画が何作かあるのですが、心が元気な時じゃないと読めないがために後回しにすることの多い作品のひとつ。
最新刊を読まずして、今これを書いています。笑

例えば仕事、お金、恋愛・結婚。
それらの普通を押し付けてくることをひどく嫌っているけども、それは自分が普通から外れていることをひどく馬鹿にしていて、そうなることを恐れていることからの過剰反応なのでは?
私こそが嫌だと思っていた人たちの思考、いや自覚的なだけもっと悪質なのかもしれない
…と自己嫌悪。
そして、それらを上手くこなしている人を見たら妬ましいし、何で自分は…と思うことに、また自己嫌悪。


話は変わるが、先日学生時代の友達Aちゃんの結婚式に参列した時のこと。
Aちゃんと私と同じグループで仲の良かったBくんも呼ばれ、一緒に参列した。
Bくんは同性愛者でカミングアウトしてくれてからもかなりの付き合いになるのだが、結婚式という古いジェンダー感てんこ盛りイベントに、彼とどう過ごせばいいのかかなり戸惑った。
謎に男女分かれて整列させられる記念写真に、未婚女性だけ集められたブーケトス。
人生の当たり前のゴールとして結婚が設定されていて、それが全員にあることを疑わない。
(話は逸れるが、最近の人生ゲームは結婚するかどうか選べるし、同性とも結婚できるらしい)



それでも数々の感動的なシーンに素直な感想として「きっとこれが親御さんにとっての子育ての一区切りなんだろうな。それを体験させられない私は…」という喉から出かかった自虐兼本音をハッとして飲み込んだ。
自虐は自分だけでなくて、人をも虐げる。
結婚という奇跡に感動すると共に、そうじゃないことが不幸ではない、そうでないことも肯定するというのはなかなか複雑で言葉にするのは難しい。
それを気を遣っているだとか、同情的になっていると見られないのはもっと難しい。
一連の気遣いが「自分にはまだ可能性があるが、この人はこうして結婚することはできないから可哀想だと思っているからこその気遣い」なのではと思うと、負のループにはまる。


結局、自分は自分だけが可愛い偏見にまみれた人間なのだと自覚することから始めようと思う。

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