この2枚をそれぞれ聴いて
いやー、今回はなかなか難しいトピックを。青春時代に知り今の今まで僕の血肉になり続けているバンドのひとつ、Radioheadのデビューと2作目を聴いて思った事を徒然なるままに。
まずPablo Honeyを聴いて。確かに青い、青さはある。だけれどもなんだろう、この中にある若さ故の諦観やそこから発生するであろう逆説的な焦燥感。これが今に至るこの21年目に至るまで保ち続け、いや、もはや今もまだ僕を納得させるまで持つ強度。芸術の域にデビューから達していたと言わざるを得ない感覚には陥る。CreepやAnyone Can Play Guitarだけでなく、YouやProve Yourselfみたいな曲にある自分と他者を巻き込みながら俯瞰したがる青さ、僕もまだこの病は持ってるな。そして最後のBlow Outのアウトロに至るカオティックなまでの陶酔感。シューゲイザーの影響を受けながらもその当時のオルタナサウンドを踏襲しつつ自らをあるがままに描いた音や歌詞。響くなぁ。今ここに立ち戻ってきた。
そしてそこから辛い時期をバンドか経て完成に至ったThe Bends。これはギターオルタナ期の最高峰に数えられる作品。僕はレコードも持っているが。これも凄い。自分達の出来うる事を最大級に引き出し、そして自らの可能性をここまでかと出した作品。これもリリースされてから19年、僕を惹き付けてやまない。前作よりは大人になって、経験した事柄や辛さが前作にはなかった世界に落とし込まれている。Planet TelexやStreet Spirit(fade out)のような悲観や混沌が表に出たり、High and Dry やFake Plastic Treesのような代表曲にあるような諦めや焦りを歌う曲だけでなく、僕が1番好きな(Nice Dream)にあるようなとてつもない破壊衝動が歌詞に現れ、でも音は静謐からの爆音と言うオルタナの教科書的なサウンドに至る。そんなこのアルバムはおそらく次作、OK Computerを辿る塚になったに違いない。僕はOK Computerの冷徹さはこの作品が発した静寂と爆発を経ないと出来ないと思っている。素晴らしい作品だ。
とここまでつらつらと書いてきたが、この2作で既に自らのフォーマットを自ら壊し続けてきた彼らの今の、The Smileやソロプロジェクトに至る足跡の通奏低音なのだと、書いてきて分かったようなそんな気がする。こんな素晴らしいバンドのおかげで生まれたフォロワー、彼らのせいである意味狭まった音楽の可能性。影響力の大きさが凄まじい。良くも悪くも。それを軸にこれからの彼らの活動を見守っていきたい。出来るならRadioheadの活動を見てみたいものだが…(笑)
今日はこんなところです!
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