フォローしませんか?
シェア
nao
2021年6月16日 18:11
『茜色に焼かれる』にはいくつかのルールが登場し、良子さんは「ルールだから」と自分に言い聞かせ、それを守ろうとする。けれど実際には、こうしたルールは良子さんと純平くんを決して幸せにはしない。「僕たちはいつもルールというルールに裏切られる。」では、二人はどんなルールに裏切られてきたのだろう。 まず、ルールを守り、青信号の横断歩道を渡っていた陽一さんは、ブレーキとアクセルを踏み間違えた車によって殺
2021年6月11日 17:18
『茜色に焼かれる』が母を描いたものであることは言うまでもない。最初のタイトルからして『茜色の母の戦い』なのだ。けれど、人というのはお母さんであると同時にその人自身でもある。この映画でこの二つがどのように描き分けられているのかを考えてみた。 純平くんがクズの上級生にイジメられて帰ってきたとき、良子さんはそのことを洗濯物から嗅ぎつける。そして夕食の席で問いただす。二人の間には「嘘をつかない」とい
2021年6月10日 18:12
尾野さんは切り替えの凝った白いシャツに細身の黒パンツ、ハイヒール。尾野:どうでしたー?とんでもない女豹が出てきたでしょう。恥ずかしい。少しですけど時間の許す限りお話しさせていただきます。—公開を迎えたことについて尾野:もう、嬉しいですよねえ。もしかしたらできなかったかもしれない。公開できるかが不安だった。映画はやっぱり映画館で見てもらって一人前のものだから、配信とか言われたらどうしよう、と
2021年6月6日 19:56
映画が「田中良子は芝居が得意だ」で始まること、良子さんがお芝居ではなく本心を吐露し、本性をさらけ出すシーンとして神社のシーンがあり、さらに最後のアングラお芝居にこそ宿る真実もある、ということはすでに書いた。今回は、もう少し細かく、良子さんが本心から語っている場面、本性を見せる場面を抜き出してみる。さらに、良子さんの勝負カラーである赤との関連も考えてみたい。 この映画には「ナメる人」と「ナメら