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Green Talk 40 : 好きや美味しいが日常に

先日の帰省の際に、夫の両親がお魚を用意してくださっていました。新鮮な背黒があったよ!と、お刺身に。海が近い地域ですが、背黒/鰯が美味しい時期はそろそろ終わりで、たまたま見つかったようです。お醤油と生姜でいただき、美味しかった!よくお魚が手に入る時期に、酢漬けや塩漬けにするという習慣もあります。生姜や鷹の爪、ゴマも入れたりなど。食いしん坊の我々はそれもちょっと頂いて。

海に近いこの土地にご縁ができて、この背黒や地引の魚もよくいただくようになりました。また、この酢漬けにはちょっとした思い出もあります。

初めてお家に伺ったとき、家族の皆さんでお料理を準備してくださっていました。もう十年以上前なのにその日に着ていた服、天気、乗っていた車、食卓にあったお皿の柄。そんなことが何故かまだ記憶に残っています。
その食卓に、この酢漬けも出て。「わあ!!!美味しい!」と思わず声が。みなさん喜んでくれた中、おばあちゃまが黙って自分のそのお皿を私にすーっと差し出してくれたのです。初めましてだったので、恥ずかしいやら嬉しいやら、でも嬉しいが多分大きかった気がします。

それから、おばあちゃまもふくめた家族で過ごす食卓でこの料理が出ると、すーっとまたお皿。家族のみんなも笑ってみてくれている。この思い出は、今となっては、食べるたびに私にちょっと寂しく、あったかく、深く、しみてきます。

結婚してからは、たまにしか伺えていないですが、この酢漬けも一緒に作り、季節のお漬物もご一緒し。
それらを美味しい美味しい!と食べていたら、「あ、時間が美味しくする食べ物が私は大好きなのだ!」と知ることができました。そういえば小さい頃から塩辛や瓶詰めのものが大好きだったような。

ですが、我が家ではすることは本当に全くなくて。キッチンの容量や心にも余裕を持てる生活ができ始めたという環境が整い、やっとここ数年、ちょこちょこと手を出すようになりました。

最初に始めたのは米麹でした。すごく簡単なのと(第1条件笑)、手軽に発酵食品が食卓に並ぶこと、また料理に大事な要素の塩、醤油、砂糖の代わりにもなるから。
こちらのみやこ麹さんが近くで手に入るので、それで醤油麹や塩麹をつくっています。瓶に入れて毎日面倒みてみての数日から数週間でできるもの。


お野菜を美味しく炒めるのに、塩の代わりに塩麹、醤油の代わりに醤油麹などとして使います。
塩麹だと、ねぎや生姜の千切り、厚揚げなどを炒めて上に載せて少し蒸し焼きにして最後に全体をなじませたり。魚も鮭などを漬けて。フライパンで焼いて、水菜と一緒に食べるのも大好きです。醤油麹だと、ニラともやしなどを本当にさっとごま油で炒めて、さっと全体に。醤油麹は夏場の辛い唐辛子を入れるとピリピリのものもできて。夫はそれを焼き魚や豆腐にのせて、ヒィー!と楽しんでいます。

それ以外も、唐辛子の葉を佃煮にしたり梅干しを仕込んでみたり、好きなことを続けていたら、気付いたらそれと一緒に冷蔵庫のものが残ることなくお腹に美味しく入っていきます。

こんな毎日を過ごしながら、他の方のnoteも見せていただいたりもしています。料理もちょっと環境や社会に良いことも、意識的にスタートして間もない私は、今は学ぶ/真似ぶ段階で、失敗はしないとも言えません。
また、時間をかけて美味しくなる食べ物が好きだとわかったことで、”たまたま”家庭の食品ロスを減らすことに寄与していただけのことかもしれません。
ですが、それでもいいと思っています。


ここで書いた、Beaさんが引用されていたガンジー師の言葉。「幸せであるということは、考えるこということすることが調和している状態である」。

私にとっては、環境や社会によりいいことの冒頭に、”心地よく”とか”美味しく”とか無理せずとかできる範囲も、そうかもしれません。そういうものがついていて。Excuseではなく続けるために必要な要素だと感じています。

その考えをもとに、こうやって言葉にして、行動して。
そこの調和がとれていることが残って残って、私の生活を作っていくのだと最近感じること。

そしてそして、本当に食べ物は素晴らしい。
「幸福は口福だねぇ!」よくいう口癖です。