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済州競馬場ガイド
当記事は筆者が2023年9月9日(土)に済州競馬場を訪問した時のことを基準にしています。
コピーした部分も多々ありますが姉妹記事ということで、ソウル競馬場・釜山慶南競馬場につきましてもご興味のある方は下記リンク先をご覧ください。
世界唯一のポニー競馬場
韓国にはソウル・釜山慶南・済州の3つの競馬場がありますが、サラブレッド系競走が行われているのはソウルと釜山慶南だけで、ここ済州では天然記念物でもある「済州馬」(”チョランマル”とも呼ばれます)という在来種のみを使ったレースが行われているのが最大の特徴です。
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ポニー競馬といえば日本でもジョッキーベイビーズがありますが、あれはいわゆる草競馬であり馬券発売を伴う営業を行っている訳ではありません。一方、馬券といえば富士サファリパークで単勝馬券を販売するポニー競馬が期間限定で行われていますが(的中すれば粗品ゲット)、こちらはそもそも騎手が乗っていません。
そのような意味では、ここ済州が世界唯一のポニー専用の常設競馬場です。
ちなみに過去には済州馬とサラブレッドの混血である漢拏馬(ハルラ馬)のレースも行われていましたが、2022年末をもって廃止されてしまいました。このあたりは拙記事もご覧いただければ幸いです。
開催日時
済州競馬場では年末年始、旧正月、夏季、中秋のそれぞれ1週間ずつを除いた年48週において金曜日と土曜日に開催しており、日曜日はソウル競馬と釜山慶南競馬の場外発売所として開場しています。
2023年度の開催休止日およびカレンダーは以下の通りです。
① 2023年1月20日(金)~1月22日(日):旧正月
② 2023年7月29日(土)~7月30日(日):酷暑期休止(ソウル)
③ 2023年8月4日(金)~8月6日(日) :酷暑期休止(釜山慶南・済州)
④ 2023年9月29日(金)~10月1日(日):中秋
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通常は9:30開場、11:00第1レース発走、16:30/17:00最終レース発走というスケジュールですが、7月14日〜8月19日の金曜日はナイター、土曜日は薄暮開催となります。詳細な発走時刻は以下の通りです(時期によって多少変動します)。
<昼間開催>
金曜日:1R 11:00 / 最終R 17:00
土曜日:1R 11:00 / 最終R 16:30
日曜日:(ソウル・釜山慶南の場外発売のみ)
<ナイター/薄暮開催:2023年7月14日(金)~8月19日(日)>
金曜日:1R 14:00 / 最終R 20:00
土曜日:1R 13:30 / 最終R 18:40
日曜日:(ソウル・釜山慶南の場外発売のみ)
レース数は基本的に7レースですが、これも時期によって金曜日が8~9レースになったりします。
なお、ソウルが酷暑期休止となる7月28日(金)~29日(土)の変則開催時、土曜日はなんと14レース編成となります。
アクセス
ソウル・釜山慶南とは異なり地下鉄や無料シャトルバスがありませんので、必然的に路線バスかタクシーになります。
筆者は空港⇔競馬場間をタクシーで往復しましたのでその実体験に基づいたものを記載し、路線バスについては”済州バス情報システム”の情報や地図アプリの検索結果を参考にしました。
路線バス利用
行きのみ記載しましたが、帰りは逆向きにした同じルートです。全国どこでも使えるT-moneyカードを持っておくとよいでしょう。
①空港から
182番(40分間隔)に乗って「済州観光大学(제주관광대학)」まで行き、そこから251~254番(15~20分間隔)に乗り換えて「レッツランパーク(렛츠런파크)」で下車。乗車時間だけで35~40分です。運賃は現金だと約4000ウォンですが交通カード利用時はもう少し安くなります。
②済州市内(済州バスターミナル)から
251~254番(15~20分間隔)に乗り「レッツランパーク(렛츠런파크)」で下車。運賃1200ウォン、所要時間35~40分です。
③西帰浦市内(中央ロータリー/旧バスターミナル)から
282番(15~20分間隔)に乗り「レッツランパーク(렛츠런파크)」で下車。運賃1200ウォン、所要時間60~75分です。
タクシー利用
費用的に最も割高ですが最も簡単な行き方です。料金はキロ1000ウォン計算で良いかと思います。
・空港から:距離約18km、所要時間30~35分
・済州市内から:距離約18km、所要時間30~35分
・西帰浦市内から:距離約37km、所要時間45~50分
帰りにつきましては、退場門を出てから真っすぐに大きな道(平和路)へ出るところまで歩くと空港・市内方面のバス停があり、そこにタクシーも数台待機していました。しかし万全を期すのであればスマホアプリ「カカオタクシー」を使いましょう。
このアプリを使うと入退場門のすぐ近くまで来てくれます(ちなみに筆者が使った時はそのバス停付近で待機していた車が来ました)。
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この真正面に車は付けられませんので、両脇の駐車場エリアを乗車場所に指定すればOKです
予想紙・競馬新聞
入場門を入って左手すぐに予想紙(競馬新聞)の売店があります。
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予想紙は全て冊子型で、同時開催のソウル/釜山慶南と併せた全国版です。
値段は種類により1000〜5000ウォンと幅があり、筆者が見た限り에이스경마(”エース競馬”、2000ウォン)と서울경마(”ソウル競馬”、4000ウォン)が人気のようでした。
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購入時にマークカード記入用の黒サインペンを無料で貰えます(ボールペンや赤サインペンでの記入はエラーになりやすいのでご注意下さい)。
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この予想紙の読み方については以前の記事で少しだけ触れていますのでご参照ください。
入場料
済州競馬場の入場料は2000ウォンで、中央競馬とほぼ同額です。(不定期で無料の日もあります)
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メインスタンド
予想紙売場から約50mほどのところに見えるのがメインスタンドです。
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この右手に旧館Happy Villeがあります
スタンドはソウルと同じくLucky Ville(新館)とHappy Ville(旧館)の2つがあり共に地下1階・地上3階建てとなっていますが、収容人数は両方合わせて6400人とソウル(77000人)の10分の1以下となり結構コンパクトです。実際、園田や高知、佐賀のような地方競馬場と同じぐらいの大きさのように感じました。
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ソウル・釜山慶南とは異なり本馬場向きの屋内座席は少な目ですが内向きの座席はそれら両場と同じく多数設置されており、夏や冬は快適に観戦することが可能です。
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なお、指定席ラウンジが旧館3Fにありますが、これは韓国居住者専用のスマホアプリを持っている人のみが利用できるものですので、外国人旅行者は一般席のみ利用可です。(旧館3Fは馬主席と指定席だけです)
最後に、詳細な館内案内図(韓国語のみ)は下記リンク先の通りです。(上が新館Lucky Ville、下が旧館Happy Ville)
パドック
ソウル・釜山慶南とは異なる特徴をもったものがパドックです。旧館Lucky Villeの南側・残り200m地点付近で本馬場と隣接するようにして設置されており、「本馬場との隣接」という意味では盛岡・水沢・笠松と似ています。
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ちなみに韓国ではあまりカメラを構えている人がおらず、ときどき女性騎手に対してスマホを向ける人がいるぐらいです。よってカメラを向けるとやや浮いた感じにはなりますが旅の恥は掻き捨てでいきましょう。
本馬場
ダート右回り・1周1600m(ゴール前直線350m)と、小さな体格であまりスピードの出ないポニー競馬ながら大井競馬場並みの大きさがありますが、やはりサラブレッドに比し体力に劣りますので殆どのレースは900~1200mで実施されます。
コース図から判断すると非スパイラルカーブですが、高低差が非常に大きいのが特徴です。最後の直線は-6mの下りというのが面白いですが、これも済州馬の体力を考えてのことかも知れません。
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https://race.kra.co.kr/chulmainfo/RacingcourseStructure.do?Act=02&Sub=10&meet=2
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確かに直線は下り坂のように見えます
砂厚はソウル・釜山慶南(8cm)より浅い5cmです。砂質もそれら両場と同じく朝鮮半島西側で採取した海砂を使用しているのではないかと思いますが、未確認です。
大型映像装置は釜山慶南と同じく目測で幅40mほどと、阪神競馬場(幅46.4m)ぐらいには匹敵するものと思われました。やや輝度は低いものの十分な視認性で良好な観戦環境を演出してくれます。
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馬券購入
単勝・複勝・ワイド・馬連・馬単・三連複の6種類に対して100ウォン単位で発売されますが、法により一人1レースの購入上限は10万ウォンです。発売窓口をはしごすることにより上限以上の購入を行う人もいますが、これは違法行為ですのでくれぐれもご注意ください。(場内オッズ情報には三連単も出てきますが、これは専用アプリ限定発売です)
有人窓口は現金券(バウチャー)販売と払戻専用であり、バウチャーとマークカードを使って場内に数多く設置されている自動発売機にて馬券を購入します(一部現金が使える発売機があります)。
的中馬券の払戻期限は1年後ですが、そのままバウチャーとして次の購入に使うこともできます(バウチャー又は的中馬券→マークカードの順に機械へ投入します)
さらなる詳細や課税ルールについては下記記事にて取り上げておりますので、そちらもご覧いただければ幸いです。
グルメ
新館・旧館にそれぞれ一つずつ、そして屋外に一つの計3軒しか食堂がなく、計20軒ほどあるソウルと比べるとどうしても見劣りしてしまいますが、最低限楽しめるといったところでしょうか。(この日はありませんでしたが、ときどき屋外にキッチンカーが出るようです)
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普通のユッケジャンとは異なりかなりドロッとしたスープでしたが
その分コクがあっておいしかったです
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なにせ3軒しかない食堂につきお昼どきはかなり混雑していましたが恐ろしいほどの回転の速さにつき(みなさん早飯して次のレースを買いたいのでしょう)、15~30分ずらすだけで余裕で入れました。
なお、アルコール販売は行なれておりませんし、持ち込みも禁止ですのでくれぐれもご注意ください。
その他場内施設
無料Wi-Fi
"LetsRun-Free"というSSIDの無料Wi-Fiが使用可能です。速度は下り20Mbps程度でしたが、例えばJRA公式サイトのレース映像を観る分には十分で、且つスタンド内外どこでも殆ど途切れずに使用可能でした。
モバイル充電コーナー
何か所かに設置されていましたが、ご覧の通りむき出しですので盗難には要注意です。(それでも使っている人は結構いました)
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コインロッカー
今回は使っていませんが新館Lucky Villeの入り口に少しだけありました。案内所で1万ウォンの保証金を預けてカギを受け取り、利用する形です。
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喫煙所
来客層がおじさん中心ですので喫煙率も高く、スタンド外のあちこちに喫煙所があります(スタンド内は完全禁煙です)。
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遊具
各種遊具、ポニー広場、場内連結車ツアーなどの子供向け施設・設備や、内馬場にはパークゴルフ場もあります。KRA公式サイトの案内では全てが土日営業となっていますが、確かに金曜日は学校がありますので妥当な運営です。
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土産物屋(無し)
ソウルには入場門脇に「그랑프리(グランプリ)」という、ちょっとガッカリ系の土産物屋があるのですが、残念ながら釜山慶南と同じく済州も売り場そのものがありませんでした。
以上が済州競馬場のご紹介でした。
他に何か知りたいことがあれば分かる範囲でお答えしますのでコメントにてお寄せください。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
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