言語聴覚士ってなに???
こんにちは、はじめまして。
言語聴覚士(げんごちょうかくし)の、ななさんと申します。
言語聴覚士は、ことばときこえの専門職です。あまり知られていませんが、実は国家資格です。日頃、ことばの発達やことばの喪失(失語症など)について相談に乗ったり、リハビリ/セラピーをしています。
ありがたいことに、わたしをきっかけに言語聴覚士ってなに?と興味を持ってくださる方が多いので、簡単にご紹介します。
全国に3万人
言語聴覚士は全国に3万人くらい居る、ことばときこえの専門家ですが、その仕事内容は皆同じではありません。お医者さんや看護師さんにも、「○○科が専門」、「○○が得意」があるように、言語聴覚士にもさまざまな専門領域があります。
✎言語聴覚士の専門分野
✔ リハビリテーション
✔ 子どもの発達
✔ 聴覚障害
✔ 音声障害
内訳としては、高齢者のリハビリテーションの分野に働く人が7割を占めるそうです。リハビリテーションでお会いするのは、病気や怪我で脳に損傷を受けた方々です。お子さんの領域で働く人は2割くらい。残り1割が音声障害や聴覚障害の領域で働いています。ざっくり小児/成人と専門領域を区分けしたりしますが、最近は訪問型医療サービスの普及により、どちらも診られる・診ざるをえない言語聴覚士さんも増えています。何を専門とするかはその勤め先に相談に来るお客さん(患者さん)によるってことですね。
つまり、カッコつきで詳しく書くと、こうなります。
✎言語聴覚士の専門分野
✔ リハビリテーション
(失語症/高次脳機能障害/摂食嚥下障害/呼吸障害)
✔ 子どもの発達
(発達障害/発音治療/吃音/小児の嚥下障害/小児の脳障害後遺症)
✔ 聴覚障害(人工内耳/補聴器/ろう)
✔ 音声障害(発声障害/吃音/大人の発音治療)
どこに居るのか
世の中に居る言語聴覚士のほとんどは、なんらかの施設に勤務しています。医療や介護の施設、行政が運営する福祉施設が多いですが、教育・研究機関や民間施設に勤める人もいます。あまり知りませんが、私企業に入るケースもあるのかも、どうなんだろう。つまり、必ずしも医療職というわけでもありません。個人的には医療福祉教育と社会の狭間に居る専門職だと思います。
開業やフリーランスの言語聴覚士はとても少なかったようですが、2019年のいま、じわじわ増えてきつつあるようです。実は医療系国家資格として開業権を持っている数少ない職種のひとつであることも、一般にはあまり知られていません。
私の専門領域
ちなみに、わたし自身の専門領域は、先天性の言語障害/学習障害/知的障害/発音指導/吃音/難聴児の発音指導/失語症(後天性の言語障害)/高次脳機能障害(後天性の脳機能障害)/など。摂食嚥下障害の臨床には、ここ数年触れていません。
病院や福祉センターでの勤務経験もありますが、プライベートのクリニックで仕事をしてきた経緯があります。すべて外来(通院)で、年間150件くらいの相談をお受けしています。8割はお子さん、2割は成人の方です。
得意な分野
ことばを構成する文法・語彙・音韻・コミュニケーション、それを統治する主体である人間の高次な営み、あるいは、口頭で話す音声言語を構成する声・運動・発音などについて、並々ならぬ関心があります。
ST(言語聴覚士)にしかできないものとして、発声発語を運動としてとらえ、適切な状態に導くことが得意…と思っています。
カ行やサ行が言えない、側音化構音など、大人の発音治療について取り組んでいる数少ないST(言語聴覚士)です。わりと治せます。いつでもご相談ください。
それでは、ご相談お待ちしています。
いただいたサポートは、ことばの相談室ことりの教材・教具の購入に充てさせていただきます。