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ハシビロコウ「スシくん」についてご報告

ウガンダ野生生物保全教育センター(UWEC)のスシについて、ナントンゴにとっては、衝撃の事実が判明しました。2020年5月にスシTシャツをデザインし、販売を開始しましたが、Tシャツに写真を使わせてくれたスシは2020年中に亡くなっていた事がわかったのです。同時に、今UWECで活躍しているスシを含めて3羽のスシが存在した事もわかりました。
ナントンゴの投稿や記事を通してスシを知り、愛してくださった皆様に、時間が経ってからスシの悲報をお知らせする事を大変申し訳なく思っております。
まずは、確認できた経緯と内容をお話します。今年の2月、UWECを訪ねた方を通して、スシが2年前に亡くなっていたという話に、偶然接し、大変驚いて、UWECへ問い合わせました。ナントンゴは、2021年の秋にUWECを訪問してスシに再会した(と思っていた)ので、俄かには信じられませんでした。先方の連絡窓口の女性飼育員も驚いていました。スシと再会した時に、現地でお世話をしてくれたのがこの女性でしたから、彼女も、私から聞いて初めて知ったそうです。とにかく、調べますとのことでした。そして、一か月以上落ち着かない気持ちで待ちました。ようやく届いた回答で、最初に会ったスシは、やはり、2020年に亡くなっていた事、そして、再会したと思っていたスシは、名前を受け継いだ別のスシだったという事が確認できました。
UWECのホームページ等では、スシについての情報は見つかりません。スシの代替わりは、私が公表して良い話なのでしょうか?躊躇われました。けれど、スシに愛着を持ってTシャツを購入してくださるお客様には、お知らせしなければなりません。そこで、UWECの教育情報部のマネージャーに、問合せ、公表する内容を確認した所、更に、もう一羽のスシの存在が分かったのでした。

スシは襲名制


ナントンゴが初めて会ったスシは、実はオリジナルではなく2代目だったのです。この事も驚きの新事実でした。初代スシの人懐こい性格と、ユニークな名前はUWECで大変浸透していたために、初代が亡くなると、他の個体で、初代と同じように、人馴れしていて野生の環境では生きられないハシビロコウがスシと呼ばれ始めたそうです。

初代スシ:1970年代にUWECに保護され飼育が始まり、1990年代中頃に老衰の為、他界。

2代目:1990年代中頃からUWECで飼育を始め、2020年に蛇に噛まれて死亡。

3代目:現在活躍中。4年程前からUWECで飼育されていて、2代目が亡くなった後、スシと呼ばれ始めれる。

UWEC内でも、スシの代替わりの情報は、直接の担当者等、限られた範囲でしか知られていないそうで、今回この件を確認して貰うまで、前段でも書いた様に、窓口の女性飼育員さんは、方々に話を聞いたり、調べたり、漸く整理できたそうです。

2代目と3代目


ナントンゴは2020年2月にUWECを訪問した際、初めてスシと出会いました。2021年10月に、義父母の法事(のような伝統的行事)の為にウガンダを訪問した際にもUWECへ立ち寄り、ハシビロコウと再会しました。その時の様子はインスタグラムでも何度か投稿していますが、前回に会ったスシと同一の個体だと信じていました。ガイドの飼育員さんに、「前に会った事を覚えているみたいだ(He remembers you)」等と言われて、本当に嬉しかったのです。けれど、思い返してみると、2年ぶりに見たハシビロコウを、前回会ったスシだと、確信できた訳ではありませんでした。飼育員さん達が「スシ」って呼んでいるし、こんなに人懐こい、見学者に撫でられても嫌がらないハシビロコウが他にいる筈がないと、恥ずかしながら、すっかり思い込んでいたのです。また、運悪く、前回とは異なる飼育員さんがガイドを務めてくれたので、私が前に会った「スシ」が2代目だったか、3代目だったかは、彼には知る由も無かったのでしょう。「He remembers you」は見学者を喜ばせる為のリップサービスだったのでしょうか?見た目も、今になって写真を見比べてみると、違いが分かるのですが、その時は、体つきと、小さくて可愛らしい冠羽が同じだと思いました。瞳やクチバシの色は、あまりに陽射しが強くてよく分からなかったという言い訳もさせていただきます。しかしながら、気付かなった為に、皆さんへのご報告が遅くなり、申し訳ございません。Tシャツやカレンダー作りの為に、あんなに写真をよく見ていたのに、他の個体と入れ替わっても気付かないとは・・・情けない事です。

2020年に会った二代目
2021年10月三代目

スシくん達への思い


最初に会ったスシが2020年当時、35歳で高齢だと聞いていたので、昨年訪問した時まで元気でいてくれた事がとても嬉しかっただけに、実は亡くなっていたと分かった事は悲しいです。蛇に噛まれたという事もショックでした。けれど、UWECは自然環境の中で、保護された野生動物を飼育している施設なので、他の野生生物を締め出す事はできません。野鳥、動物、昆虫や、植物等の豊かな生態系の中で、飼育動物達は暮らしているのです。そして、詳しく聞いたら、蛇の方からハシビロコウを襲う事はないので、スシの方が、蛇を捕食しようとして反撃されたそうです。ご老体でも、食欲旺盛で最期まで生命力が溢れていた様子が伺われます。YouTubeでは、2代目スシと思われる動画が何本も投稿されていて、UWECを訪れた世界中からの見学者を魅了していた事がわかります。20年以上の長い間、ハシビロコウファンを増やし続けたスシくんは、これからも永遠に愛され続けることと思います。遅ればせながら、2代目スシくんに感謝してご冥福を祈ります。
初代スシくんには、会う事ができず、残念でした。1990年代半ばですと、ナントンゴは、まだウガンダを認識していませんでした。ハシビロコウの事も知りませんでした。そんな頃から、ハシビロコウと人間の関係を築いて、伝説を始めた偉大な存在です。
そして、今活躍している三代目くんは、先代に輪をかけて人間が大好きで、会った時には最高の一時を味わわせてくれましたが、ナントンゴが二代目と混同していたせいで、もしかしたら、別人格(別の個体)としての新しい特徴や魅力を見落としていたかも知れません。また会う事ができたら、今度は、改めてよく観察して、理解を深めたいと思います。

スシくんTシャツ

(2022年9月に追記)ー2020年3月に、UWECがCovid19の影響で一時的に閉園となる事を知り、運営資金調達の助けになると同時に、スシくんの魅力を世界に伝える事を目的に、スシ君Tシャツを販売する事を考えつきました。2020年2月に撮影したスシ君の写真をデザインに使用しましたので、2代目くんがモデルです。新しいデザインで発売するとしたら3代目くんにモデルになって貰いますが、現在販売中の2代目スシのTシャツも販売を続けて、皆さんの記憶の中で活躍し続けてくれたら嬉しいです。

https://nantongo.theshop.jp/items/66688685



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