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今年、ビートルズは「本当に」解散したのだ(2)

小野洋子は凄い女性である。なんてったって、彼女は日本の「最後の貴族」の一人なのであって、しかも、まだご存命である。90歳だ。

本物の貴族である。家系がヤバい。
母方の祖父は「安田財閥の祖」安田善次郎、父方の祖父は日本興業銀行総裁を務めた小野英二郎。

1933年(昭和8年)2月18日生まれ。
1953年、学習院大学の学生であった20歳の時に、父親の赴任先であるニューヨーク郊外に移り住み、サラ・ローレンス大学(なんと、リンダ・マッカートニーもこの大学の卒業生である!洋子は中退)に入学し、音楽と詩を学ぶ。

1950年代末から前衛芸術活動を開始するが評価は低く、評論家からも批判されていたらしい。

1962年、29歳で自殺を図り精神病院に入院させられる。実家は大金持ちである。もちろんお金に困っての自殺未遂ではない。彼女自身、「貧乏には耐えられる、でも、さみしさには耐えられない」と語っているそうである。

彼女は1956年に一度目の結婚、1963年に二度目の結婚をし、その年の8月8日、娘キョーコを授かっている。

1966年、ロンドンの現代芸術協会の招きで渡英し、活動の場をロンドンに移すこととなる。

ここでやっと今回の主人公の一人、われらがジョン・レノンの再登場となるわけだが、その後の事はご承知の通りである。

運命的な出会いを果たしたジョンとヨーコは、前衛的な音楽活動やパフォーマンス、反戦運動、黒人・女性解放運動等の政治運動へと傾斜していく。

何と言っても「White Album」収録の「Revolution 9」がヤバい。
8分23秒もあるキテレツな前衛音楽である。
それなりにメジャーなポピュラーミュージックのアルバムに、あんな曲が入っているのを、少なくとも僕は、アレ以外、聴いたことが無い。
「White Album」は55年前の作品である。でも、アレ以外、知らない。

ちなみに、2023年11月7日現在、YouTubeでの「Revolution 9」の再生回数は446万回、その次の収録曲にして、ホワイトアルバムの大トリを飾る、リンゴの壮大なバラード曲「Good Night」の再生回数は299万回である。

いずれにせよ、ジョンとヨーコは世間から「変わり者」扱いされることとなるのだが、やはり、ヨーコが居なかったら「Revolution」も「Revolution 9」も「Mother」も「Imagine」も生まれなかったはずで、カリスマとしてのジョンにヨーコの存在が多大に影響したことは誰もが認めるところであろうが、もちろん、ジョンのカリスマ性が完全に完成されたのは、1980年12月8日のことである。
                                                            (つづく)

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