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CDの仕事 -競合コンペとは?-

東京でクリエイティブエージェンシー勤めのクリエイティブディレクターが日々の仕事を書き記す「CDの仕事」。気づいたこと、失敗などをコンテンツとして紹介していきます。

競合コンペ(ピッチ)ってなに?

独立の準備を進めつつ、競合コンペ(弊社ではピッチと呼ぶ)にアサインされました。広告代理店では日常的にある仕事ですが、ピッチを一応説明すると、クライアントが一つのプロジェクトをどの会社に依頼するかを競わせる業態をいいます。逆に一社だけの場合は「指名」といったりします。
クライアントサイドでは、予算が例えば一億以上の案件は必ず競合コンペにかけないといけないと決められていたりするので、何社の中で一番いい企画を選ぶというものです。他にも、「リテーナー」と言いますが、年間契約をしている現在の代理店がいまいちだった時に、他の代理店と年間契約を変えるときなどだと何十億とかの競合コンペもあったりします。もっともこのレベルだと日本の代理店でも受けれる会社の規模が限られてくるので、大手の代理店さんの一騎討ちだったりもします。何を競うかもその案件次第で、単純に見積もりのピッチもあれば、クリエイティブのピッチ、戦略のピッチ、年間施策のピッチ、キャンペーンのアイデアのピッチなど色々です。

勝てば天国、負ければ地獄

「指名」でくる仕事以外は、新たな仕事はピッチで取らないといけません。
ピッチは期限が限られていて、クライアントからオリエンから3週間-1ヶ月(規模によりけり)で提案をしたりします。
そんな短い期間で、各代理店のクリエイティブ、プランナー、アカウント、プロデューサー、外注会社が一丸となって、ピッチの勝利を目指します。
ここまで書けば薄々気がつくと思いますが、「勝ちか負けか?」「0か100か?」の大勝負です。勝てば例えばいきなり売上がその年で一億とか上がるわけですし、負ければその期間がただ働きです。(これについてはスコープワークと言って海外ではタダ働きは違法じゃね?という動きもありますが、それは別の記事で書きますね。少なくとも参加費すら払われない現実が日本では多いです。汗)
もちろん超有名なブランドで大きな仕事ができる可能性がある、仕事の概要が固まってないので、自由度の高い提案ができるということもありますが、前述したように、勝たなければ何も得られないという社内のプレッシャー
中、チームは寝ないで提案を考えまくるので、この業界がブラックな労働環境になるのは構造的に当然だったりします。もちろん納得して働いてる人もいますし、ピッチに入れれれる事自体を嫌がる人もいます。(その期間はプライベートを犠牲にする場合もあるため)。

ジャイアントキリングが起きることも

小規模でイケてる代理店だと、億越えのピッチを10人見たないチームで勝つというジャイアントキリングが起きることもアイデア次第ではあります。
ここら辺はとても夢がある仕事だと思います。あなたのアイデア一つで他の代理店をなぎ倒して何千万、何億の仕事を勝ち取る。ワクワクしませんか?逆に、大手代理店が何十人もスタッフを投下したり、著名クリエーターを代表に据えたり、旬な芸能人を起用できますよといった企画以外のパワープレーで勝負が決まる、もしくは競合コンペとは名ばかりで、会社の都合上、勝負はさせるけど、クライアント社内でもう元々付き合いのある会社に決まっているなどという、クソな状況もあったりします。(この場合は無償で一ヶ月とか働かされている代理店は訴えてもいいといつも思ってる。)

クリエイティヴディレクターは何をするの?

これも会社の規模やピッチの内容にもよりますが、クリエイティヴディレクター(CD)の仕事はズバリ、「クリエイティブの責任者」です。
オリエンに営業と参加して、クライアントの要望をまとめてチームに共有、リサーチャー、ストラテジックプランナーと話し合いながら戦略を固めて行って、アートディレクター、デザイナー、コピーライター、C Mプランナー、プロデューサー、デジタルプロデューサーとクリエイティブの企画を練っていく。並行してメディアプランナーやイベントプロデューサーと実現性も話し合う。
そして出来上がった企画書(デック)を営業と見直して、チームに共有、完成度を高めて最後にクライアントにプレゼンテーションをする。という感じで頭から最後まで全てに関与していきます。権限もある分、責任も期待も多い仕事です。いい企画が思いついた時はアドレナリンがやばいくらい出ますし、勝った時は社内の全員から祝福されます。逆に負けた時はチームはお通夜みたいになりますし、マネジメントからはチクチクと言われます。笑

でも現実は甘くない・・・

だた、上記に書いたものは「大手-中堅規模の代理店」の話。私が働いている規模の代理店だと、全ての部署がピッチに投入されなかったりしますし、コピーライターが新人であったり、ひどい時だとプランナーが別件で片手間でしか入れなかったりします。
「時間」「スタッフ」「外注予算」、全て潤沢にピッチに対しての戦力が揃わない時でも、「勝ち」に向かって、チームをまとめ、足りない職能は一番経験があるCDが代わりにやったりしていきます。
結果に対しての功罪を問われる立場なので全ての努力をしなければいけませんし、精神的にも体力的にもヘビーな業務であるの間違いないです。

今日は競合コンペについての概要を書きました。
もっと細かく知りたい人は「スキ」をください。より細かく書いていきます。















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