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「シークレット・インベージョン」の感想(ネタバレあり)

MCU最新作。

演技派俳優陣の凄み

全体的にはこれまでのどの作品よりも地味な印象で、ある意味で今も大規模な戦争が起こっている現実世界の緊張感と地続きな所を楽しむ作品だと思う。冒頭のマーティン・フリーマン演じるロスが逃げていると思っていたら追っているのがタロスでロスがスクラルのスパイというオチになるシークエンスから何が何やら分からないし誰を信じれば良いかも分からない本作のクラクラする雰囲気を最初から象徴している様でかなり良かった思う。

だからこそ派手なアクションメインな作品ではなくて、俳優のチョイスもより演技派に振り切っている印象でワンシーンワンシーンの厚みが凄くて会話しているシーンだけで見応えを感じた。

特にキャスト的にはオリヴィア・コールマンが出ているシーンは全部良かった。
最初のニック・フューリーとの対話シーンからして雰囲気だけでタダモノじゃなさを醸し出しているのが流石の名女優。
第二話の楽しくおしゃべりしながら指を切り落とす拷問をしていくシーンはめちゃくちゃ怖い。
最終話まで常に心の底を見せない感じで、ラストはMCUトップクラスの戦闘力を手に入れたエミリア・クラークと手を組んだ事によって今後のMCUでも重要な存在になっていくかもしれない。
DCEUで言う所のアマンダ・ウォラーみたいな存在になっていきそう。

フューリー

冒頭からインフィニティ・ウォーの指パッチンがトラウマになりかつての牙は抜けているという感じなのだけど、結果的に約束を反故してしまい負い目を感じているスクラル人と向き合う事で逃げて来た自分と向き合う話になっていると思う。
タロス夫妻や娘であるガイアとの悲劇的な関係性の変化とかも切ないし一番信頼していたマリア・ヒルも第一話から死んだりして、彼がどんどん積み上げてきたものが剥がされていく。

お話し的にはここまで何も解決しないで終わるというか事態がより悪化する幕切れのMCU作品って初めてでは?という印象で、今後の作品にもちろん繋がっていくのは分かるけど単体作品で世界が悪くなっているというのが結構衝撃。

そんな不穏な世界の中でフューリーが人間味をさらけ出し愛する人と結ばれて再び宇宙に帰っていくのは独特な味わいな終わり方だった。

気になった所

地味な所が面白さではあるのだけど、それにしたって地味過ぎないか?という気持ちもあって、振り返ってみると結構単純な話にも感じるし、それを難しい話として重く暗くし過ぎな気もする。

これまでMCUでお馴染みだったマリア・ヒルやタロスの死等かなり衝撃的なショッキング描写があったにも関わらず、あまりにも彼彼女に対しての死に対する扱いがドライでビックリした。
マリア・ヒルなんてアベンジャーズ一作目の時からいてフューリーの為にこれまでずっと頑張ってきたのに、最悪の死に様で本当気の毒。あまりに気の毒過ぎて途中まで絶対偽装だと信じていたけど全く再登場がなかったのでマジで死んでしまってるんかい、、、とズッコケた。

あとグラヴィク役のキングズリー・ベン=アディルとか凄く良い存在感だし、タロス役のベン・メンデルソーンの顔つきも相変わらず素晴らしいだけに、この表情も凄みみたいなものも素顔じゃないんだよなぁと思うとちょっと萎える感じはした。
素顔である(設定の)スクラルの顔は特殊メイクなので映像的に繊細な表情の変化にはとても向かないのでこの人間の姿メインになるのは分かるけど、その場所で人間の姿でいる必然性あるのか?と思うシーンが何個かあってちょっとノイズになった。
ただグラヴィクが最初に殺した人間の姿をフューリーに見せつける為だったと分かるラストの対話シーンは結構良かった。

まああと放射線の描写はそんなんで良いのか?という気持ちで観ていた。
じゃあロスとローズとか大丈夫なのか、、、。

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