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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYの感想(ネタバレあり)

MOVIX京都で観た。MOVIXデイ+金曜祝日でも半分くらいしか埋まって無かった、、、コロナ。

スーサイド・スクワッドの続編。
みんな酷いアメコミ映画といえばスースクを苛めるが僕は擁護派。
確かに話はめちゃくちゃだがデヴィッド・エアー監督お得意のタフなアウトロー描写は悪くないし、キャラクターが生き生きしてたし、そんなみんな親の仇みたいに悪く言わなくていいじゃんと思っている。

そして間違いなくマーゴット・ロビーはこのハーレクイン役が無かったらここまでスーパースターにはなっていたかったし、アメコミ映画のポップアイコンになる女性キャラクターを生み出しただけで勝ちだと思うんだけどな。

で、今回の新作。引き続きジョーカーの扱いとかは可哀想だけど基本的には前作のハーレイ・クインのお話と地続きにはなっていたので安心した。
元々持っている狂った気性の荒さを矯正して大人になるのではなく、狂ったままの自分をもっと愛してあげる事で映画が終わっていくのが良かった。

あと今作で僕が1番素晴らしいと思ったのはアクションシーンで、彼女の気性の荒さと見事にシンクロしていてとてもエモーションがあった。
まともな人生は歩めず「こういう生き方しか出来ない人」が向かってくる敵をただただ殺して暴れるシーンが怪獣映画的な哀愁と高揚感があってめちゃくちゃ感動してしまう。

特にバットを使ったアクションが熱量が高く彼女のトレードマーク的なアイテムだし「これが私!」って宣言してるみたいで痺れる。

時世が行ったり来たりする語り口が映画としてはあまり上手くない気はするけど、全部終わった後ハーレイが飲み屋で酔っ払いながらガールズトーク的にこちらに話してる感じで、あくまで彼女の映画だしまあ良いんじゃないかなぁという気がする。

ペットのワンコ(ハイエナ)も無駄に可愛い。

ハーレイクイン単独作品とは言いつつチームモノの映画でもあるんだけど、その要素に関してはあんまりだったかなぁ、という印象。

主にあのキラーボイスの彼女が潜入捜査もの的に刑事に情報を送ったり、スリをした少女と同じアパートだったり、ハーレイクインを勢いで助けたり、と御膳立てされてる割に関係性を築いていく描写が全然燃えないのが良くないと思う。

もう少し彼女が潤滑油的に動いていたらラストついにチームになった時のカタルシスがもっとあった気がしたのでもったいない。あと潜入捜査しててスマホの通知画面であっさりバレるのとか無能過ぎてビックリした。

復讐に燃えるボーガンレディとかも単独で動き過ぎてたのでチームに合流しても「こいつの事知ってるメンバーって居たっけ?」ってなる。

遊園地のアトラクション的バイオレンスシーンの後、何も考えず正面から出て行って案の定撃たれるってくだりもギャグなんだろうけど「なんで誰も止めないんだろうか?」と普通にビックリした。

そんな感じでチーム描写に関しては正直スースクと大差ないと思う。
というかDCEUの映画全般的にチームプレイは上手くないよなぁと改めて感じた。
これならハーレイクインが1人で大暴れするだけの映画でも良かったんじゃないかなぁという気がする。

ヴィラン側はただただ悪いヤツらという事に振り切っていてかなり好き。

最初の中国のお金持ち家族を拷問して殺す所とかまあ極悪なのだけどブラックジョークとしてコミカルでもあってユアン・マクレガーが本当楽しそう。
相棒の金髪野郎のベッタリ感も良かった(同性カップルの設定なのかな?)
ただこの金髪ヴィラン、頭が切れて強いし、とてもいいキャラなのにラスト盛り上がる前にダウンしてしまうのはもったいなくない?もうちょっといい所で死んで欲しかった。ユアン・マクレガーがそんなに戦闘力が高い悪役じゃないし彼の大暴れが観たかった。

全体的には楽しめたのだけど、何か痒い所に手が届かないのはDCEUの映画って感じがする。
次回のスースク2はジェームズ・ガンだし文句無しの作品になると良いなぁ。

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