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パートナーとタコスを作り始めたら。

『間借りタコスをいつかやってみたいんだよね。』
付き合って間もない頃私は彼に言った。
彼は『いいんじゃない?』と賛成してくれた。

優しい彼は、よくいろんなことに手を出してしまう私をいつも『いいんじゃない?』と言って応援してくれる。
反対もせず、アドバイスもせずただ見守ってくれる仏みたいな人である。
(泣きついたら助言してくれる)

私の恋人はメキシコ出身だ。
メキシコというと陽気で適当なイメージがあったのだけど、彼は前世は日本人ですかというくらいまじめで繊細で、インドアな人だ。

どちらかというと私の方がメキシコ人ぽくて、適当人間で、フットワークが軽く、音楽に合わせて乗るのが好きだ。

やさしい彼はいつも『いいんじゃない?』と見守りながら、当人は特に新しいことに挑戦せずコツコツと仕事をしてるイメージだった。
私からしたら新しい趣味とかに挑戦してもいいのになと思ってしまうくらい。

パートナーと2人でマルシェに出店してる人とか、夫妻で会社経営している人とか。私はなんとなく憧れがあった。自分だけ何かに挑戦するのもいいけどパートナーと2人で一緒に挑戦するのもいいなって。

そんな私が2人で一緒に挑戦することで改めて彼と通じ合えた気がしたのが、料理だった。コロナで家にいることが多くなり、少し難しくて手間がかかる料理に挑戦して時間を過ごすようになった。
2人で台所に立ち、音楽をかけながら料理を分担しながら進めていく。
私はものすごく幸せな時間だと感じている。

トルティーヤ作りに目覚めたのもこの頃だ。

メキシコではトルティーヤは、各地区にトルティーヤ専門店があるのでそこで買うのが一般的。トルティーヤをほぼ家で作らない。
だから私にとっても彼にとってもトルティーヤは初めての挑戦だった。

最初は下手くそだった。曲げたら折れるくらいかたい。
サルサも最初はおいしくなくて、彼のお母さんに作り方を聞いて2人で練習した。
YouTubeでメキシコ人のレシピ動画を2人でよくみて研究していた。

自ら料理を作ることがなかった彼がいきなりまぐろのタコスを作ってくれたのもこの頃だ。いろんなレシピを混ぜながら作ったみたいでもう作り方を忘れたらしいが本当においしいタコスだった。

少しずつ上手になってきた頃、『2人でいつか間借りタコスやってみたいね』と彼に言ってみた。そしたら『いいね、やりたい!』と言ってくれた。
いつもいいんじゃない?と言ってた彼がやってみたいと言ってくれたなんだか嬉しかった。

それから2人でいろんなタコスを作った。
トルティーヤも少しずつ上手になった。



トルティーヤは、焼くと真ん中が膨らむのがいいとされるのだけどはじめて自家製トルティーヤがフライパンの上で膨らんだ時はハグして喜びあった笑

間借りタコスやりたいから実際にやることが決まったあとは、タコスの試作の頻度が上がった。
気づいたら私よりパートナーの方が張り切っているようになっていた。

『いいんじゃない?』と見守ってくれている彼も好きだが、楽しそうにタコス作りに取り組む彼も好きだ。

私たちが大好きな本場のタコスを提供してくれるタコスを食べに山梨まで訪れては『俺らのタコスまだまだだな笑』と笑いながら帰る日も、
旅行してはいろんなタコスやさんに行き、自分たちがやるならこうしようと話す時間が楽しかった。

彼は普段サラリーマンなのであまり表に登場しない。
宣伝の時、なんしゅのタコスと伝わってしまうかもしれないが、私のタコスは私とパートナーのわたしたちのタコスである。
9/30に開催する間借りタコスも彼と一緒に前日から仕込み、作る。

なので今回はパートナーのことを書いてみた。
一緒にタコスを作れる幸せを、何かに挑戦できる幸せを感じながら
当日はタコスを作れたらと思う。

【宣伝】
9/30開催のスナックはっちでタコスをパートナーと一緒に作ります。
ぜひお越しください!