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頑張っている人が報われてほしい~コロナ渦の就活で見つけた自分の価値観~

2020年、謎のウイルスが日本でも蔓延し、生活が一変した。

大学3年生だった私は、最終学年を目前にして就活を始めていた。

私は体育会に所属していたので初めは部活が自粛になったことで、就活に専念できる!と少々嬉しい気持ちもあった。

しかし、合同説明会は中止となり、面接がオンラインになった。

選考の形式が変わっただけではない。

大手企業は軒並み採用数を減らし、航空・観光業は新卒採用中止になり、面接は延期になった。

CAを目指していた同級生は幼い頃からの夢を断たれた。

なんてひどい仕打ちだろう。


私は、「先輩から聞いていた売り手市場の就活と全然違うじゃないか!」

そう思った。

そんなとき、AKB48の高橋みなみさんが自身最後の総選挙のスピーチで言った「頑張っている人が報われてほしい」という言葉が思い起こされた。

当時はAKBのファンだったから、頑張っているメンバーに総選挙でも順位が上がってほしいな、と共感しただけだった。

けれど、この言葉は私の心のど真ん中に抱く切望になった。

「頑張っている」ってなんだろう?
それは全地球人に共通の指標はなく、数値化できるものではないと思う。

例えば、就活の面接では「学生時代に頑張ったことはなんですか」と毎回聞かれる。

話したところで、学生の「頑張った」と社会人の「成果を出した」は全く違うと言われた。私はまだ働いていないから、確かにプロジェクトの規模の大きさとか、そこにかかる金額とか、社会的インパクトは想像以上に違うのだろう。それは理解できる。

でも、本人にとっては20数年の人生で一番熱量をかけて頑張ったと、胸を張って言えることなら、自信を持って話してもいいのではないだろうか。

自信を持って話したら、「謙虚さがないね」と受け取られるのはおかしなことではないだろうか?聞いてきたのはあなたでしょう、と言いたくなる。

そもそも、400字のエントリーシート、たった数十分の画面越しの面接だけで、その就活生がどんな人なのかなんて正確に伝わるはずがない。

私は事実を話しただけなのに「その話は本当?」と疑われたことがある。
反対に、学業もサークルもバイトも課外活動も熱心にはしておらず、嘘で固められた学チカを話して、複数社から内定をもらった友人もいる。

なんて不条理な世界だ。

私は就活を通して、自分にとって大切にしたい価値観を再確認できた。

それは「頑張っている人が報われてほしい」
という高橋みなみさんの言葉通りの想いだ。

本当に頑張っていれば、必ず周りで見てくれている人がいる。
短期間で他人に自己アピールをするセンスはないけれど、長い付き合いで信頼関係を構築していける自信はある。

私は、こんな一学生の話でも「すごいね」と聞いてくれた会社で、世の中が本当に頑張っている人を評価する世界になるよう、働いていきたいと思う。

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