北陸新幹線はJR桂川駅よりも阪急桂駅を経由してほしい

北陸新幹線の京都市内のルート案が3種類公表された。JR京都駅を南北に通るルート、JR京都駅を東西に通るルート、京都市街地を迂回してJR桂川駅を経由するルートである。

この中で最も工期が短いのは意外にもJR京都駅を南北に通るルートである。地下あまり深くないところに駅を作れるため。一方、京都市街地を迂回して一見工事が容易そうなJR桂川駅を経由するルートは、東海道線のアンダーパスの下にトンネルを通す必要があることから地下深いところに駅を建設する必要があり工期が長い。地下深いところに駅があるということは東海道線への乗り換えにも時間がかかるということであり、しかも東海道線の各駅停車で京都駅まで出て、さらに地下鉄に乗らないと京都市内の中心部に出られない。

それならば、阪急桂駅の車庫用地を提供してもらってそこに新幹線の駅を作った方が工期が短くなりそうだし、乗り換えも便利そうだし、阪急に乗れば京都の中心部にも大阪の中心部にも容易にアクセスできる。京都市内の西院、大宮、烏丸、河原町の各駅へは乗り換え1回なので、JR京都駅から地下鉄を阪急とを乗り継ぐよりも便利である。実現可能性は低いだろうが、ミニ新幹線が桂駅から阪急に乗り入れて乗り換え無しで梅田まで直通すれば便利そうである。免許が失効してしまった阪急新大阪線の淡路新大阪間を復活させれば新大阪駅に乗り入れることもできる。新大阪から先に線路を伸ばして山陽新幹線とつないで地下の阪急新大阪駅にJR西日本独自の新幹線ターミナルを設置することもできるかもしれない。そのまま姫路あたりまで乗り入れれば便利そうである。どのみち新大阪駅付近は工期が25年もかかるので、一旦桂駅まで暫定開業させて新大阪まで開通するまでの間はミニ新幹線で阪急に乗り入れるのでよいのではないか。

桂駅の車庫用地を提供してもらうためには阪急の車庫の代替地をどこかに確保しなければならない。洛西口駅の南西に土地が空いているのと、高槻市駅と上牧駅の間に土地が空いているので、そのいずれかを新幹線予算で阪急の車庫にすればよいのではないだろうか。桂駅に北陸新幹線が乗り入れれば京都大阪方面の阪急の乗客が増えるので、阪急にとってもメリットがあるだろう(JR西日本にとっては全く面白くないだろうが)。

JR西日本は京都駅を経由するルートを求めているようである。京都駅をターミナルに持つJR西日本が京都駅を経由するルートを求めるのは当然のことである。しかしJR京都駅は別に京都の都心ではなく、京都市内各地に行くためにはどのみち乗り換えが必要である。地下鉄烏丸線沿線なら乗り換え1回で済むが、そこからさらに阪急に乗り換えるとなると乗り換えが2回必要である。ここで気をつけなければならないのはJR西日本はあくまでもオペレーターに過ぎず、赤字にならない程度の線路使用料しか負担しないことである。費用や工期がどうなろうがJR西日本がそれを直接負担するわけではなく、建設費用や工期を含めた総合的な判断をする立場にはない。JR西日本にとって京都駅を経由するのが都合がよいから差額をJR西日本で負担するというのなら理解できるが。

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