見出し画像

【詩】昼下がりに米を研ぐ

離れていても心配ない

記憶の中には君がいるから
どうしても会いたくなったら
思い出せばいいだけだ

君の怒った顔を思い出したら
コップの水をかけそうだけど
その前に、深呼吸して
茶柱が立ったお茶とおにぎりと
ぬか漬けを差し出すよ

君に大事に思われている自信がなくて
こんな身体じゃ好かれないと思って
自暴自棄になった自分が恥ずかしいんだ
依存してた自分が恥ずかしいんだ

距離を取れなかった自分が恥ずかしいんだ
期待しすぎた自分が恥ずかしいんだ
君を悲しませて後悔しているのに
まだ不安やエゴを手放せない自分が恥ずかしいんだ

胡散臭い占い師が「会いにいっても大丈夫」
なんて言うけど、そんなこと真に受けるほど
僕は馬鹿じゃない

だから、今は心を整えて
生活を整える

お茶とご飯と味噌汁を
身体に流し込んで
仕事に向かう
土曜日の昼下がり

君と2度と会えない恐怖や不安を
無償の愛に変えたいと願う

だから自信をつけるため
新しいことを
始めてみることにしたんだ

来月は稲刈りの季節だね
新米を食べるのが楽しみだ













この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?