見出し画像

海外で和食を創る時に思うこと

日本料理の本場は日本である。

他の国で料理をしていると、そんな当たり前の事に気ずかされます。
日本には四季があり、食材は時間と共に変化して魚はいつも新鮮な物が手に入って野菜も果物も形の揃った綺麗でうま味一杯の物が近くで手に入る。
海で獲れた魚をどうすれば鮮度を保って良い状態でお店やお客様に届くのかを真剣に考えている漁師さんがいて、肉や野菜・果物もそれぞれどうしたら
最高の状態に出来るかをいつも考えている生産者さんがいます。
そんな方々の努力の先に料理人の仕事が成り立っていると感謝の気持ちがより強くなっています。

他の国の人たちが全て考えていないとは言いませんが市場など色々な場所で食材の扱い方を見ていると残念だなと思ってしまう時がしばしばあります。
魚の扱い方が乱暴だったり野菜の入れ替えの時にそのまま新しい食材を上に乗せてみたり最後のレジでおばちゃんに放り投げられたり・・・
もっと食べ物のことを優しい気持ちで接してほしいなとガッカリしてしまう時も結構あります。 別に文句を言いたくて書いているわけではないのですが料理人として以前に人としてキチンと行動したいなと思っています。

食材に対して真摯に向き合う姿勢があるからこそ日頃の変化にも敏感に感じることが出来てその日の状態に合わせて料理法を変化できたりも出来るのだと思う。 とは言え魚もいつも同じように塩をして臭みを抜けるかというと
そんなことも無くいつもよりしっかり塩をして時間も調整したり、野菜の状態も見極めがあったりと同じ日がないくらい自己主張してくれる方々に囲まれて楽しい気持ちで仕事が出来るのは幸せなことだと思っています。
日本の様にきれいに洗って乾燥して並んだほうれん草があったりはしないので、土まみれになったほうれん草を水でしっかり洗うところから始まりボイルしてみると思ったよりも小さくなってしまって見入りが悪いなと落ち込んでみたり、形が悪くて少しくたびれた大根だったとしても普段はお目にかかれないので手に入ったときは心の中でガッツポーズをしてみたり、小さな事の積み重ねの向こう側に来られたお客様の笑顔があるのだと信じて努力しています。

日本料理の素晴らしさ、好きなところを書いていたらきりが無くなってしまうので少しずつ感じていることを書いていきたいと思います。
季節感が無い場所でどの様に季節感を演出したら良いのかと考えていると大変だと落ち込む前にこうしてみよう、ああしてみようとアイディアが浮かんでくる時の方が多いので不器用なりに環境の変化に合わせていける性格なのかなと思っています。
まだまだ不慣れな事も多いので文章が読みにくい所もあるかもしれないですが誰に見られても良いように、後で自分がこんな事を思っていたんだと振り返りが出来ていけたらいいなと思って今後もnoteを続けていきたいです。

画像1

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?