平行世界へ産み落とされたんだと確信した37歳。
朝4時、超朝型な私にとってこの時間に起きることは普通。母親ももう起きている。一応おはようございますと言った。
昨日は最悪なコンディションで終わった。ある程度家のことは出来たとはいえ薬の効きも悪い。ただ、ゲーム実況で楽しく感じられる方のを発見出来たので気持ちの落ち込みはまだマシだった。
母親が仕事から帰ってきて、少し機嫌が悪かったけど台所で少し話しながら片付けを手伝った。また調子が悪くなってきたのと副作用でかなりの眠気が出てきてしまった。今布団に入っても絶対しんどいの上乗せだと思い、動画の続きをひたすら見ていた。後は記憶が曖昧。布団は敷いて寝たらしい。
朝4時。お腹が空いた。母親に今日は「おはようございます」と言う。
今日は友達と会う日やっけ?と聞かれた。話した覚えが全く無かったけど確かに今日は友達4人で昼からオンライン昼飲みをやる日。ホンマに4人揃うのは久々だった。
けど家から出る訳じゃない。その説明が面倒に感じてしまった。明日病院なのでノンアルにするつもりやったけど、母親への罪悪感で満たされている頭ではそれすら万死に値する。
「え、違うけど」と返した。
「ならゲキ落ち君を使って、コンロ周りを掃除しといて」
完全に頭がヤラレタ。というのも、私は死にたくなる病になって以来、物事を頼まれる、予定が入る、という事にとても弱い。今日何かあっても明日のの事で頭がパニックを起こす。家を出てしまえば何ともないのだけれど。今日も私はカワ(・∀・)イイ!!と言い聞かせながら。
掃除をしないと。掃除をしないと。動けてるうちにしとかないと。やらないと散々見てきた母親の呆れ顔と聞こえぬため息がこだまする。完璧でなくていい(てかあの油汚れゲキ落ちでも無理)、ここまでしか無理やったわ~で済む。
やらないと。今ならまだ動けてる。もう始めよう。
朝4時。ゲキ落ち君と共闘を始める。視力が死んでる私でもタイルの白さが浮き出てくるのが分かった。スゲーよゲキ落ち君!
ここら辺で十分か...。
母親が台所へ来た。
「何でこんな時間からやるんよ...当てつけみたいにっ!アンタが働きたいって言ってるからやれる事言ってあげたんやん!」
「また動かれへんくなって出来へんよりは、まだ動けてる今した方がいいやろ!やから今やってるんやんか!」
おわかりいただけただろうか...
全く嚙み合っていない。母親は私の為という。私は苦痛だと思っている。
私は自分が何に辛さを感じるのか、そういう事を母親には絶対話さない。母親は私の疾患の話を極端に嫌がる。
「よし!やろう!って決めたら動けるんちゃうの!」と何回も言われてきた。母親は私が一番症状が酷かった時を勿論知っている。だから今の私は気持ちの持ちようの問題だと見えてるんだろう。そしてただダラダラしてるだけに見えてるんだろう。(確かに寝転んではいる)
それは間違ってないと思う。病は気から。
自分だってこんな自分は嫌だ。いい年こいた寄生野郎。そんな事口を滑らそうものなら言われることは分かってる。
「そういう気持ちがアカンのんとちゃうの!?腹括ったら行動出来るはずや!」
私には意見する権利はない。仮に伝えたいことがあってももう無理なんだろう。同じ場所にいるようで5mmほどズレた場所で生きてる。
物理的に離れてる父親はきっと気持ちは悠々してるんだろう。
あぁ、今日はきっと皆に会えない。
※写真お借りしました。
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