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ロリィタと私

洋服が好きです。
30歳を超えた今もロリィタを着ています。

しかし元々服には全く興味がなく、ズボンといえばジーンズとジャージ以外は知らないような小学生でした。

その頃ショックな出来事が起きて人を全く信じられなくなり、他人からどう見られるか病的に気になるようになってしまいまして……。

おしゃれをしたら調子に乗っていると思われるかもしれない。
似合っていないと影で笑われるかもしれない。
親に、色気づいてと文句を言われるかもしれない。

そんなふうに考えてしまって、ますますおしゃれからは遠ざかりました。
周りの子達は垢抜けてきたのに、自分は未だにいとこからのお下がりのトレーナーとジーンズ。

このままでは恥ずかしくて外に出られない。
でも自分が何を着たら「正解」なのかがわからない。
学校のある日以外は外に出ることが出来なくなりました。

中学の終わり頃、「ゴスロリ」を知りました。
ピンクハウスのような、お人形さんみたいで、お姫様みたいで、世界名作劇場の登場人物みたいなお洋服。
幼い頃の憧れがそこにありました。

最初は着るつもりなど全くありませんでした。
ですが、友達が誕生日にくれたゴスロリバイブルvol.4をみて、お洋服の魅力それ以上に、他人の目を気にしない生き方が羨ましいなと思ったのです。

他人の目を気にしてまともに外出もできなかった自分にとって、ゴスロリバイブルは文字通りバイブルでした。

どんなに叩かれても自分の好きを貫こう
自分らしくいよう
他人の目なんか気にしないで
ゴシックロリィタは生きづらい世界を生きる術

本にはそんなメッセージがたくさん込められていました。

また、ロリィタは色やアイテムの組み合わせ方がかっちり決まっており、それを揃えればコーデが完成するのも魅力でした。
レディースは自由度が高すぎて着たい服がわからなくなるので、未だに「普通の服」は苦手です。

高3の冬にデビューしてから、お洋服を通して色々なことを学びました。

洋服に相応しくならなければと思ったら、いつの間にか猫背が直っていました。
言葉遣いも気をつけるようになりました。
ヒールでの歩き方も練習しました。
化粧は今でも苦手ですし、紅茶より断然コーヒー派ですが。
(ロリィタさんは紅茶好きが多い)
そういえば趣味で洋服を作ろうと思ったきったけもロリィタでした。

そしてなにより、好きな服を着ると自分に自信がもてること。
ロリィタの時は他人の目が怖くなくなりました。

最近は着る頻度も減ってしまい、さすがに30歳を越えると厳しいな……と感じることも増えてきました。

それでもまだロリィタをやめません。

年齢や世間体などを理由にして何かを諦めることはロリィタの「好きを貫く」に反することですから。
あ、でも無理に若作りした妖怪にはなりたくないので、友人知人各位、ヤバそうだったら容赦なく止めてくださいね。
よろしくお願いします(切実)

撮影者:あさ(note)

あまり更新しないですが、ひっそりインスタやっています。

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