(イベントレポート#1)10/21~10/24 FactorISM2021
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(イベントレポート#1)10/21~10/24 FactorISM2021

南海電鉄#沿線価値向上プロジェクト

10月21日(木)~10月24日(日)に、2020年に続いて第2回目の開催となるオープンファクトリ―イベント「FactorISM2021」が大阪の八尾・堺・門真・東大阪・大阪市都島区にて開催されました。


「FactorISM」は「こうばはまちのエンターテイメント」を合言葉に、ものづくりの現場を一般に向けて公開し、体験・体感してもらう4日間にわたる文化祭のようなイベントです。工場の皆さんにとっての当たり前も、まちの人からしたらエンターテイメント!ものづくりの現場を知ることは新たな価値が生まれるきっかけになる、という想いから昨年2020年に始まりました。


私たち南海社員は堺の3会場に参加。現地に行くことで改めて気付くことができた堺の地場産業の魅力を紹介します。

オープンファクトリーとは
近隣のものづくりの作り手等が主体となって同じ日に工場を公開し、お客さまに見学やワークショップを体験してもらうイベントで、全国各地で開催されています。南海沿線では、今回紹介するFactorISM(堺)と、貝塚オープンファクトリー(貝塚・泉佐野)の二つが開催されました。



FactorISM2021:イベントレポート


今回、私たち南海社員は小泉製作所(こいずみせいさくしょ)、西川由染晒(にしかわよしそめさらし)工場の2社と堺伝統産業会館で開催された「体験ワークショップ」の3か所に参加してきました。


各企業が実際にどんなことを行ったのか、現地の様子をリポートしていきます!

レポート:小泉製作所

小泉製作所_01 玄関


小泉製作所は堺・七道にある金属加工の会社です。1933年(昭和8年)に堺市で自転車用ハンドルの製造を始めて以来、曲げ加工を中心に様々な金属加工を手がけてきました。1つの部品づくりからスタートした会社ですが、現在では様々な金属を総合的に加工するモノづくり会社に成長しています。「経験のないことにもどんどん挑戦していこう」をモットーに、ものづくりを楽しんでいる会社です。

FactorISM2021のプログラムは、『モノづくりの極み』と題し、見学と体験だけでなくお客さまを楽しませるサプライズ等、色々な仕掛けが準備されていました!

【金属の溶接】

小泉製作所_02 溶接見学

まずは、小泉製作所の代名詞でもある金属部品の加工(溶接・曲げ)を見学。強い光のインパクトや、溶接された表面の綺麗さに皆さんとても盛り上がっていました!ちなみに、こちらの方がつけておられる面は、光の強さに反応して視界の明暗が変わるそうです。とても高性能ですね!

小泉製作所_03 溶接見学

続いて、溶接された部分を電解研磨していきます。溶接の焼けを除去する作業。名前は焼けを取り除くことから、ずばり「ヤケ取り」です。金属部品に電流を通し、専用のブラシと特殊な液体を使って研磨していきます。慣れた手つきでサッサッと研磨されていく様子は見ていてとても楽しかったです。

小泉製作所_09 溶接人形3

続いても溶接作業の見学ですが、なんとこちらはFactorISMのために特別に企画してくれた工程だそう!先に見た溶接とは違い、小さな部品をくっつけているようですが…?!

小泉製作所_10 溶接人形

なんとこれ、ネジなどの部品でできたフィギュアなんです。タワーや木、ロボットやペンギンなど、本当に何でも作れるんですね…。小泉製作所、の『モノづくりの極み』を一番感じた瞬間でした!

【金属の切断(見学・体験)】

小泉製作所_05 切断体験

続いて金属の切断工程へ。見学だけでなく実際に切断体験もさせていただきました。まずは部品を機械に固定し、適切なスピードで回転する刃をゆっくり下に降ろして切断します。刃の回転のスピードが金属の種類によって違うそうです。また、切断する部品の固定も経験による感覚が必要で、緩すぎたりきつすぎたりする固定ではうまく切断できないんだそう。まさに職人技ですね。

切断の体験はなかなかできる機会が無いので、来ていたお客さま全員が体験しておられました。ライターも体験しましたが、想像していたよりもスムーズに切断できて驚きました。

【手曲げ(見学・体験)】

小泉製作所_04 曲げ体験

続いて、小泉製作所が得意とする曲げ加工の見学と体験へ。
小泉製作所のすごいところは、曲げる際に金属が折れないところだそうです。金属などの硬い部品を曲げる時には大きな力がかかるため、普通だったら折れてしまうためです。実際に、曲げた後の金属はほんのり温かくなっていて、どれだけの力がかかっていたのかを証明するようでした。

【全自動溶接ロボットによるサプライズ演出!】

小泉製作所_11 DJサプライズ

最後のプログラムは溶接ロボットの見学です。みんなが全自動溶接ロボットの前に案内され、溶接面を渡されます。そして始まったのは、音も光も手動とは比べ物にならないほど大きく強い、全自動ロボットによる溶接!このロボットは一体何を作っているのでしょうか。

小泉製作所_14 DJ

できあがったのは、溶接で作ったFactorISMロゴのパネルでした!
ロボットにプログラムを仕込むためギリギリまで試作されていたそうで、小泉製作所の努力の結晶を見せていただきました。

小泉製作所_12 DJサプライズ

上の写真の試作の多さからもモノづくりとそれを見せることに対する熱い想いが伝わってきますね。

どの工程でも文字通り『モノづくりの極み』を感じさせてくれた「小泉製作所」のイベントレポートでした。

レポート:西川由染晒工場(にしかわよしそめさらしこうじょう)

西川由晒染_01 玄関

続いて訪れたのは堺市の毛穴地域にて昔ながらの染色技法「注染(ちゅうせん)」による晒(さらし)木綿の反物や手ぬぐいを製造している「西川由染晒工場」。注染とは、重ねた布の上に染料を注いで着色する多色染めの技法、「和晒(わざらし)」とは生機の脂分や不純物を除去・漂白し布の品質を均一にする技法のことです。


従来、津久野・毛穴地域ではこの注染と晒を分業して行っていました。そんな中、西川由染晒工場はその社名の通り染めも晒しも一貫して担っているところが特徴です。

【絞り染め・スポイト染めの体験】

西川由晒染_04 染め体験スポイト

西川由染晒工場のFactorISMは、染めの体験からスタート。真っ白な和晒が準備されていて、スポイト染めと絞り染めから1つを選んで体験します。


「スポイト染め」は、スポイトから布へ染料をしみ込ませる染め技法で、和晒を好きな形に折り布の層に染料を垂らしていきます。すると、開いた時に綺麗な絵柄になっているんです。

西川由晒染_06 染体験絞り

もう一方の「絞り染め」は、和晒を輪ゴムで縛ってから染料に漬け込み染める技法で、縛った部分だけが白く残って染め上がるようになっています。

西川由晒染_03 染め体験スポイト

スポイト染めも絞り染めも、染料を入れた後は「定着液」と呼ばれる特殊な液体に漬けて色を定着させ水ですすぎ洗いをし、干したら完成!

西川由晒染_08 染め体験 完成品

太陽を浴びながら風に揺れる作品たちに、参加者の皆さんもとても満足しておられるようでした!

【注染和晒の工場見学】

西川由晒染_09 晒し工場

楽しい染め体験の後は工場にて「晒」と「注染」の両工程を見学!
まずは、風情漂うノスタルジックな工場で、綿生地を焚く釜と、晒前後の反物を見せていただきました。

西川由晒染_10 晒達

上の画像の左側が晒前、右側が晒後の反物です。不純物が取り除かれ、とても白くなっているのが分かりますね!

【注染和晒の工場見学:注染の工房】

西川由染晒_26

続いては「注染」の工程。晒の工程により不純物が取り除かれた生地にデザインの型紙を載せ、まずは型紙の部分以外に糊を塗っていきます。後で染料を入れる時に、糊を塗らなかった部分にだけ色がつく仕組みです。この工程が圧巻で、数十メートルにもなる長い反物に糊を塗り、ズレないように重ねて、また糊を塗っていきます。上から重ねる反物が一度でもずれると、染める際にも色の入り方にズレが生じそれ以下のデザイン全てがダメになってしまうため、何年も修行して身につける職人技だそうです。

西川由染晒_25

続いて、何層も重なった反物に色を入れていきます。まずは生地の上に糊で「土手(どて)」をつくり、染料を注ぎます。その後、作業台の下にあるペダルを踏むことで空気の力で染料が吸収され、布の層全てに染料を染み込ませます。この仕組みにより、何枚もの反物を一気に染めることができるのです。

西川由晒染_20 洗濯所

染料を入れる工程が終わると、糊を落としたり余分な染料を洗い流すためのに、上の写真にある機械で洗っていきます。昔はこの工程を、流れのある川で行っていたそうです。石津川に沿って注染工場や晒工場が多いのはこのためなんですね!

西川由染晒_27

その後、何十メートルにもなる手ぬぐいを乾燥させる工程「だて干し」を経れば、完成となります。

普段はなかなか見ることのできない「注染和晒」の製作過程とその職人技に間近でみて感動のできる貴重な機会になりました。

レポート:堺伝統産業会館

伝産_01 全体像

FactorISM2021最終日は、堺からFactorISMに参加する企業たちが、堺市・神明町にある「堺伝統産業会館」にて出張ワークショップや展示を行う特別な1日。ただワークショップをするだけでなく、技術を持ち寄り、企業同士でコラボレーションしている様子も見られました!注染和晒や刃物などの伝統産業だけでなく、様々な技術を体験できるようになっていて、お子さまも一緒の家族連れなどで賑わっていました!

【出張ワークショップ(馬場刃物製作所 × 河辺商会 × つぼ市製茶本舗)】

伝産_04 川辺商会×馬場刃物×つぼ市3

手作りの刃物を提供する「馬場刃物製作所」の刃物、プラスチック成形を専門とする「河辺商会」のまな板にもなるお皿CHOPLATE、日本人の生活に欠かせないお茶を取り扱う「つぼ市製茶本舗」の堺利休餅(抹茶)が一堂に集まりコラボレーション!包丁では切るのが難しいもちを、CHOPLATEの上で、切れ味抜群の刃物を使ってカッティングする体験ができました。

【出張ワークショップ(ナカニ×西川由染晒)】

伝産_05 西川由晒染6

続いて、堺市・毛穴地区にて注染の工場を構える「ナカニ」と、同じく毛穴地区にて注染和晒を行う「西川由染晒」のコラボレーション!糊での土手づくりと、自分で色を選んで染料を注ぐ注染の工程を体験しました。

伝産_06 西川由晒染1

体験は思ったより難しく、土手を作るのに時間がかかったり、作った土手から染料が溢れてしまったり…。どんなデザインでも綺麗に染めていらっしゃる注染職人さんの凄さを実感しました。


伝産_07 西川由晒染

ここから糊を落とし洗濯をし、できあがったのがこちら!

伝産_08 西川由晒染7

少し色が滲んでしまいましたが、カラフルで満足のいく仕上がりになりました。滲んでしまったのは、時間をかけすぎたからだそうです。こんなに綿密な作業を素早く完了させる職人さんは本当にすごいですね!

伝産_09 角野晒染2

ここまでの体験以外にも、色々な企業が出張ワークショップにきていました。

まずは、「雪花絞り染め」の工房から出張体験に来ていた「角野晒染」さん!「雪花絞り染め」とは、染め体験の一種で、折りたたんだ生地を染料で染ると、染め上がりの模様が雪の花の結晶の様に見えることからそのように呼ばれているそうです。これは、普段は工房のある堺・津久野町まで行かないと体験できないそう!

西川由晒染_23 行燈

FactorISMでの出会いから生まれたコラボ作品の展示もありました。この行燈、中の支柱は小泉製作所、シェードの部分は西川由染晒工場が作ったものなんです。金属加工と手ぬぐいという、普段なら出会うことのなさそうな企業同士が繋がるのもオープンファクトリ―の醍醐味と言えそうです。

最後の最後まで、沢山の人でにぎわう楽しい一日になりました。

あとがき

南海は、FactorISM2021の企画段階から、参加企業の皆さまと共に打ち合わせを重ねてきました。一番印象に残っているのは、皆さんの「一旦全部やってみる精神」や現状を変えることを怖がらずに挑戦する姿勢。予定になかった異業種の工場同士のコラボの話が持ち上がるなど、色々なアイデアで盛り上がり、FactorISMのキャッチコピー「アトツギたちの文化祭」の通りだと感じました。それがこうして形になり、延べ約7000人参加の大盛況に終わったことをとても嬉しく思います。万博のある2025年には、関西だけでなく世界中の方に堺のモノづくりの凄さ・素晴らしさを見ていただけるよう、これからもまちこうばの皆様と共に、より魅力的なFactorISMを作り上げていきます。

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「初芝」の駅名は南海鉄道の貨物車賞が名付け親。開業時の名前は「西村」。
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