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山へ免許を取りに行く④

34歳無職が山形県に免許合宿に行く話。
ようやく自動車学校に入校しました。

6月27日昼。
村山駅の改札を出たところで、自動車学校の職員さんが看板を持って待っていました。
他にも何人か乗り合わせて学校に向かうのかな、と思っていたら、この日ラフランス校に入校するのは私一人でした。狙っていた通り、六月は生徒数が少ないとのこと。

村山駅からラフランス校へは車で十分弱。片側二車線のバイパスでした。これから毎日この道を送迎バスで通い、さらには一週間後、路上教習でもこの道を何度も走ることになります。

校舎について早速、事務手続きや視力検査。深視力検査、というのを初めてやったけれど、何をどう見たらいいのか最初分からなかった。(検査自体はつつがなく終わりました。)

手続きが終わったら入校式とガイダンス。
とはいえ本日の入校は私一人なので、指導員の先生と一対一です。四十代くらいの男性の指導員で、まあ一通り説明しときますけどね、くらいの気だるそうな感じ。おかげでこちらもあまり緊張しなくて済みました。
なんか色々言われたこと。

・指導中にはとにかく返事をしろ(むしろ指導員が困るのでちゃんと反応してほしい、くらいのニュアンスだった)
・社会人だから大丈夫だと思うが、合宿中は規則正しい生活をするように。一コマでも欠席するとスケジュールが崩れて卒業が伸びる。
・筆記試験は学生社会人関係なく、油断してる奴が落ちるので舐めてかかるな。
・再三言われたと思うが、構内でタバコを吸うと退校処分になるからくれぐれも吸ってくれるな。
・再三言われたと思うが、マスクと手指消毒を徹底するように。

貰った『教習手帳』にも色々細かい規則が書いてあったけれど、本当に幅広い層の人々がやってくるんだな、ということが何となく理解できました。タバコとマスクは、ウチは社長が元医者だから他より厳しいんだわ、ということも言っていた。

ガイダンスが終わったらまた別の指導員の先生と、シュミレーター教習。シートベルトの付け方とかハンドルの持ち方とか、本当にゼロから教わる。
なるほどこんな感じなんですね、全く経験ないから新鮮ですわ、などと余裕こいてたら、次の時間にはすぐに本物に乗ることになりました。
えっもう?早くない?

こいつについてはそのうち書きます。

……初めて実車(AT車)を運転した感想は、『速い、デカい、怖い』でした。この日は構内をゆっくりぐるぐる走っただけなんだけど、とにかく初めてのことだから緊張して仕方ない。隣から指導員に、近くを見すぎるなとか顎を引けとか車体の位置を覚えろとか色々言われてたけど、正直それどころではありませんでした。運転しながら返事をするのも精一杯で、停車してから気付いたら、汗だくになっていました。

指導員の先生曰く、
仮免までは一日2コマしか乗れないからどんどん次のことをやって行く。その上お前は準中免許だから、普通よりやることが多い。一度教わったことはその日のうちに復習して、次の日には出来るようにしておくこと。
とはいえ、最終的にはひとまず仮免に間に合えばいいから。落ち着いてやれば大抵の人は大丈夫だから。
とのこと。

何か厳しめのことを言った後、フォローの台詞が入りました。鞭と飴の順のこの話法は、その後も色々な指導員に使われることになります。あれかな、そういう指導法が業界でポピュラーなのかな。

…わたしは「大抵の人」の側に当てはまりますか?とその場で聞いてみる余裕はありませんでした。

◎◎◎
つづく

免許のない人間はパスポート持ち歩きがち。

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