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これは、自分の感動

 僕は今、ほぼ毎月ケイダッシュステージさんのオーディションライブに出演している。
 ケイダッシュステージのライブは、上からゴールド、シルバー、ブロンズ、アイアンの4段階ある。5月、僕はブロンズライブに出演した。アイアンではそれなりにいい順位だったのだが、ブロンズではなかなか勝てていなかった。
 しかし、5月のブロンズライブで1位になることができた。めちゃくちゃ嬉しくて、その後のシルバーライブでは、怪奇!でも有名などんぐりたけしさんと戦うことができた。シルバーでは、ぼろ負けしたけど。

 家に帰ると、祖父母が家に来ていて母とACLを観ていた。ACLとはサッカークラブのアジア大会で、地元の浦和レッズが決勝を戦っていた。

 そして、勝利した。アジアNo1。知っている人も多いと思うが、浦和はサッカーへの熱、というかレッズへの熱が半端じゃない。街には旗がたくさん並んでるし、レッズが勝った日の居酒屋はうるさいし、小中学校では必ずクラスの何人かがレッズの年間パスポートを持っていた。
 僕は、小中高とサッカーをしていて、もちろんレッズの試合は何度も見に行ったことはあったが、ここ最近はリーグ戦もおえていないという距離感だった。
 祖父母と母は、凄く喜んでいた。
 そこで僕は、浦和のACL優勝より、自分のブロンズライブ優勝の方が嬉しいということに気づいた。客観的な凄さでいったらACL優勝と事務所の下の方のライブの1位なんて、比べものにならないのに、比べものにならないくらいブロンズライブ優勝の方が嬉しかった。

 僕の大好きな漫画に「ブルーピリオド」がある。芸大受験をする漫画なのだが、主人公がまだ美術に目覚める前、悶々としている時期に、サッカーの試合をみて日本代表が勝ち、友人達と大騒ぎする中、主人公が一人だけ「これは俺の感動じゃない」と独白をする描写がある。

 確かに、ブロンズライブで1回だけ1位になる事は、ACL優勝や日本代表の勝利、芸大合格に比べてしまうと世間的なすごみは断然劣るが、確実に「自分の感動」だった。

 でも、レッズの熱烈なサポーターにとって、ACL優勝は確実に自分の感動だし、結局は熱量なんだと思う。自分が本当に熱中していて、好きなら、それが「自分の感動」になるのだと思う。


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