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非効率的・コストパフォーマンスの悪い最も人を感動させる表現方法


皆様こんにちは。
宝亭お富です。
朗読劇版『留守』をご視聴いただき本当にありがとうございます。

2020年のほとんどをこの作品とどう関わっていくかということを何色何番で話し合った1年だったのではないかと思います。
私自身にとってはもう数年ぶりの複数名との「演劇」随分長いことやっていなかったので、
忘れていましたが演劇って

本当に「非効率」「コスパ悪い」!!って思いました(痛感)

一日のうちに何時間の稽古時間を作って、
しかも複数名との予定も合わせて、稽古場代を払って、
衣装・照明・音響・舞台装置それら全てに
「人」と「時間」と「お金」がかかる
しかも社会人劇団なんて、採算がとれるかといえばそうでもなくて。
それでも、未だに演劇を続けてやれている人は自分の周りにもほんの一握り。


改めて、演劇をやっている人は本当に変態なんだと変に納得しました。
(これは、悪口でもなんでもなく尊敬の意味を込めての個人の感想です)


そんな変態達も、この「コロナ」のせいで、
本当に苦しい想いを今もし続けていると思います。
今回、このタイミングで演劇に携われたことで、
「演者」と「観客」の立場との関係性について深く向き合うことができました。そして、これからの私たちのこの世界との向き合い方も。
アルバイトをしながら自分たちの作品を出し続けたり
趣味の範囲で続けることができにくくなってきたこの時代。
そして、小さな劇団や表現者たちを応援し続けてくれていた
京都の小劇場たちは次々となくなって行って
コロナのせいで、真っ先に牙を剥かれたライブハウス、そして飲食店。
演劇のような非効率でコスパ悪い表現方法は、本当にこれから必要なのか。
そんなことまで考えさせられる時代になってしまいました。


ただ、私が一つ言えることは演劇をやっていて、朗読をしてみて、
たった30分も満たないストーリーをやってみて思えたことは、
私たちは何かを表現し続けなければ誰かに何も伝えられないんだということでした。
今自分が感じている演劇の魅力も、そして表現することの魅力は、
他の誰でもなく、自分の感情なのだということ。
この気持ちを忘れずに、これからも表現し続けていくことが今の自分の一番しっくりくる答えなのかなと思います。


舞台版『留守』を撮り終えて、舞台を作り上げた嬉しさもありますが、
人と人とで創り出せたあの空間を全世界中の人たちにみてもらえるのも嬉しいです。乞うご期待ください。

宝亭お富



***追伸***

おうち時間のおともに、俳優3人がそれぞれ初挑戦した映像作品はいかがですか?チケットは500円。有料記事のご購入で、何度でもご視聴いただけます。

~村井春奈の朗読公演『月夜と眼鏡』~
大正時代に建てられた京町屋にて撮影。夜の窓辺に訪れた者と、暗闇と灯りの幻想的な世界を、美しく妖しく表現。村井の心地よい声音が癖になり、何度も聴いているという感想もいただいております。

~着物家・落語家の宝亭お富の朗読公演~
大正時代に建てられた京町屋にて撮影。着物を生涯着続けた方の綴った、大正時代の着物小噺を二篇。落語や艶話が得意なお富が、時に小気味よく、時にしっとりとお届けします。

~イシゲタカヒサの朗読公演『初夏の不思議』~
ちょっと奇妙な物語を、ちょっと捻くれた表現方法で映像化。丁寧な朗読と、4つのストーリーイラスト。「何度も観てしまう」その罠を仕掛けたイシゲタカヒサは、そう、あまのじゃくです。


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