JPOPを言語学の視点から分析する手法を思いついた。


今日は音楽について。

趣味で楽曲制作している自分は「いい曲」の基準についてよく考えていた。

バンド活動をしているときも、
「キャッチーな曲があればいいね」とアドバイスをもらっていた。


「キャッチー」ってなんだ?

調べてみました。

キャッチーとは
・メロディが覚えやすいもの。
・人の心をつかむもの
・ウケが良いもの
・受け入れやすいもの
・人の目や心を惹くもの
・覚えられやすいもの
・印象的なもの

とのこと。

私はこれらからキャッチーとは、
受け入れやすさの中に印象的なものがあるものと解釈をした。

音楽と言語の関係

グラミー受賞経験もあるサックスアーティストのパトリック・バートリーJr.はインタビューの中で「その国の音楽を理解するには、その国の言語は切り離せない。」と述べていた。

では、日本語について考えてみよう。と考えた。
日本語の言語的特徴……。
英語と異なる部分……。


……っ!……「母音」だ!


日本語の母音を言語学と音声学から考えた。

幸いにも大学時代は日本語と日本文学について学んでいたため、「人は①舌の位置②口の形(開き)を調整することで、母音を使い分けている。」という知識が頭の片隅に残っていた。

それをわかりやすくしたのが、「母音三角形」。のせておきますね。

画像1

この母音三角形だけではJPOPは考えられない。
ここにもう一つ音声学の知識を引用して組み合わせました。

それが「フォルマント」。

フォルマントとは、言葉をを発声する際の声の周波数を示したもの。
言葉で説明すると長いので、これも図で。

画像2

これです。といっても意味がわからないと思うので、簡単に説明を。

男性と女声で高さはかわるものの、

「あ」を「あ」として認識するために、
「い」を「い」として認識するために、
「う」を「う」として認識するために、
「え」を「え」として認識するために、
「お」を「お」として認識するために、

人間は音の高さを変えて、使い分けているとともに聞き分けている
ということになります。

母音三角形はそのHowtoを示したものと考えています。

JPOPの解釈に活用するために

ではこの知識を活用してJPOPの解釈をするわけですが、
言わずもがなJPOPには「歌詞」がありますよね?

歌詞」には何が使われているか?

言葉」が使われているわけですよね?

先程述べたように、我々はそれぞれの母音を認識するために、
音の高さを変えて日々話しています。

この知識を用いて、「歌詞」の「母音」に注目すれば、「言葉」に備わっている受け入れやすい、認識しやすいメロディを導き出せるのではないか?
キャッチーを意識的に生み出せるのではないか?

これが私が導き出した仮説です。


もう少し詳しく。

フォルマントの図を参考にすれば、
母音」を低い順に並べると、
お、う、あ、え、い
となります。

仮にここで「マイク」という言葉が歌詞の中にあるとした場合、
「マ」は「ク」より高く、「イ」より低く、
「イ」は「マ」「ク」よりも高く、
「ク」は「マ」「イ」よりも低く配置したメロディを作り上げれば、

日常的に話しているフォルマントの関係に近くなり、聞き入れやすく、受け入れやすいものになるのではないか?と考えたわけです。

もちろんそれだけでは、キャッチーとは言い切れません。

上記のような土台を作っておいて、ときに目立たせたい、強調したいフレーズにおいては、母音とフォルマントの関係を無視することで、文章中にマーカーでアンダーラインを引いたように、その部分を目立たせる演出も可能になると考えています。

それに加え、より高い位置にある母音(い)の部分に配置すれば「明るさや心情の強さ」を、より低い位置にある母音(う、お)の部分に配置すれば「暗さやうちに秘めた思い」なども演出できるのではないかとも考えています。

母音を意識した上で、メロディを組み立てることで、
目立たせたい言葉を目立たせ、
楽曲全体を受け入れやすいものに仕上げる手法が
確立できるのではないか
と仮説を立ててみました。

これはあくまで仮説なので、時代をさかのぼっていくような形で、
JPOPのヒット・ソングをこの手法に当てはめて分析を
始めてみようとおもいます。



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