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米Amazonの倉庫勤務に思う

彼らが他の働き口を選ばず、労組に頼ってアマゾンの倉庫で働き続けようとするのはなぜなのか。シモンズさんは「周辺地域で最も賃金が高いし、一定時間さえ働けば遅刻や早退が許されるからだ」と話す。

上記記事より抜粋

米国でのAmazonの倉庫勤務は楽でかつ、周辺地域の他の単純労働と比べると給与が高いそうです。以前読んだ本では長距離を歩くので決して楽な仕事ではないという話だったので、そういった状況が改善しているのか、肉体的には辛いが精神的には辛くないという話なのかもしれません。

「楽で給与が高いとか最高やないか。」と思うのですが、問題はAmazonの倉庫で働くことで得られるスキルは、今後ロボットなどで自動化され需要が無くなっていくことです。Amazonもそれは分かっているので、リスキリングのためのプログラムを提供しているようなのですが、上記記事に出てくる倉庫勤務の人たちからはそういった話は出てきません。

これは、Amazonのホワイトカラーの人と、ブルーカラーの人との間に認識の齟齬があるからなのではないかと思います。

ホワイトカラーの人からすると上記のような今後倉庫勤務で求められるスキルはロボットに代替されることになるというのは自明で、そのためにリスキリングのプログラムを提供しているわけですが。ブルーカラーの人はそういった情報はキャッチアップできておらず、リスキリングのプログラムが提供されても自分には関係ないと思っている。もしくは、認識はあり受講を希望しているが、業務終了後には疲労が酷くリスキリングなんてしてられる状態じゃないのかもしれません。

メリトクラシー(能力主義)的な観点から考えると、リスキリングプログラムを提供しているので十分、会社は義務を果たしていると言えますが、上記どちらの理由であってもAmazonの倉庫勤務の人たちに受講されていない現状を鑑みると、今後は受講までセットで提供して初めて義務を果たしていると言えるようになるのかもしれないなと思ったりしました。

#日経COMEMO #NIKKEI

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