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「痛みを伴う」のキャッチーさが嫌い

個人的には「痛みを伴う改革」と言う言葉は嫌いです。「痛い」わけですし、文字面がキャッチーなので「痛さ」にフォーカスして、これだけ「痛み」を感じたんだから良くなるはずという、謎理論に浮かされる人も出てくるからです。

「痛み」を伴う改革は、やらないと未来に更なる「痛み」が来ると予想されるからやるわけで、別に「痛みを伴う」とか付けんくてもええやん、と思うわけです。

そんなことはどうでもいいんですが、上記の記事で気になったのは以下の部分です。

ところがその間(アベノミクス下:2013年~2019年)に雇用者数は約450万人も増えた。定年延長をしたおかげで高齢者の就業が増えたのだ。成長が一定で雇用者数が増えたなら、1人当たりの賃金が伸び悩むのは当然であろう。内閣府は「総雇用者所得は増えています」と説明する。それでは個々人の懐は温まらない。(上記記事より抜粋()は私が追記)

アベノミクスの間も経済成長はしておらず、雇用者数は増えている。これは経済のパイは大きくなっていないのに分ける人数は増えたということなので一人当たりの取り分が増えないのは当たり前の状況で、ここから日本は格差が広がったわけではなく、みんなが貧しくなったということが分かります。ちなみに同期間でジニ係数も下がったそうなので、日本の格差が広がったと思っている人は、みんなが貧しくなった現状をみて思い違いをしているのかもしれないです。もしくは、ここ20年とかの話ではなくって、高度経済成長期とかと比べてるのかもしれないですね。

また、解雇されることはオオゴトだとみんなが思っているので、これまではワークシェアリングやら雇用調整助成金を使い、どうにか解雇される人が少なくなるようしてきたわけです。
これは言い換えれば、みんなで負担を「分配」しながら、徐々に貧しくなってきたわけなんですが、そろそろ考え方を変えないとまずいってみんなが感じているのは、今回の衆院選で「分配」を強く押し出した党が議席数を減らしたことからも分かるのかも?しれないですね。「既に十分分配しとるがな」って。

#日経COMEMO #NIKKEI

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