給付金詐欺の動機を妄想する
家賃が月50万円程度とされる高層マンションに住み、高級外車を複数台所有する。そんな生活のために、新型コロナウイルス禍で苦しむ事業者を救済するはずだった給付金がだまし取られた。逮捕された若手官僚が取り調べで放ったひと言に、警視庁の担当者は驚いたという。「国が金をばらまく制度。もらえるものはもらっておく」。国の統治を支える官僚のモラルは微塵(みじん)もなかった。(上記記事冒頭部分抜粋)
経産省官僚が給付金詐欺で捕まった件について、官僚のモラルは微塵もなかったと書かれているんですが、元官僚の二人がモラルを保てる状況にあったのかと言うのはちょっと気になるところではあります。と言うのも、官僚になるデメリットを色々なところで目にするからかもしれないです。ちょっとまとめてみると、
雑務が多い
上記の記事には「雑務で激務、離れる人材」という副題がついています。官僚になることの旨味として、政策で国を動かすイメージがあるかと思うのですが、現実はそうでもないようで、政策立案の機会が減り、国会議員向けの雑務が増えたことが上記の記事にも書かれています。この記事から政策立案などを行い国を良い方向に導きたいという希望をもって官僚になったのに、意味のない(と本人が感じる)業務ばかりさせられているという姿が浮かびます。
激務
激務については色々なところで語られていますが、以下のNHKの記事がきれいにまとまっていました。
田中さんの勤務記録を教えてもらうと、なんと先月の残業時間は120時間。この3か月平均でも100時間を超えるといいます。
1か月に100時間の残業が続く、いわゆる「過労死ライン」を超えて働くことは今やどの組織でも御法度のはず。それがどうしてなのか?人事院などに確認すると、官僚、つまり国家公務員は民間企業と異なり、労働基準法が適用されません。(上記NHK NEWS WEBの記事より抜粋)
国会の会期中だけかもしれないですが、労働基準法完全無視で仕事させられてしまうというのは、まさにブラックな職場と言わざるを得ないですね。
安定していない
うつ病などの精神疾患で1か月以上仕事を休んでいるのは3495人、全職員に占める割合は1.2%ほど。
厚生労働省に取材したところ、民間企業の場合、その割合は0.4%という調査結果があるそうです。(上記NHK NEWS WEBの記事より抜粋)
激務と絡んできますが、精神疾患で仕事を休んでいる人の割合が民間企業の3倍だそうです。官僚と言えば収入が安定していることがメリットとしてあげられることも多いと思うのですが、病気になってしまってはマイナスなので、収入が安定していると一概には言えなくなってしまいそうです。
給与も高くない
また、給与が高いというイメージがあるかと思いますが、それも生涯賃金を考えた場合であり、官僚になる能力を勘案すれば、20代、30代ではどう頑張っても、民間企業に就職した場合の賃金を超えることはないでしょう。
まとめ
不安定で、雑務で、激務その上、年功序列で若い間は給与も安い職場で働きたいと思う人はいないでしょうし、働いていたとしたら自分が損をしていると感じるのではないでしょうか。大学の同級生とかは、もっと楽な仕事で給与も多く貰ってるわけですし。
そう考えると犯罪を肯定するわけではないですが、官僚になって損した分を、給付金詐欺で補填しようとしたという筋は納得がいく気がします。まぁ、100%私の妄想ではありますが。
21年度の国家公務員採用総合職試験の申込者数は過去最大の減少幅だったそうです。上記の様な官僚になるデメリットは色々なところで目にするので、そりゃそうなるわな。って感じです。
優秀な人に官僚になってもらうというのは大事なので、年功序列な給与テーブルを改定し、労働基準法に準じた労働環境の実現はすぐにでも着手すべきだと思うんですが、そんなことしても国民の人気取りにはならないので、参院選終わるまでは棚上げになりそうですね。
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