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2023年4月に読んだ本まとめ

睡眠前の1時間は本を読むことにしていたのですが、それが4月には結構取れなかったです。5月は積極的に取っていこうと思います。後の方に読んだってのもあるんですが『天気の図鑑』は壮大な雲の写真がかなり良かったです。

文芸書

あんまり好きじゃないジャンルの短編集と、恋愛小説が楽しめたのは良かったです。ちょっと小説読む時間が取れていないので5月はどんどん読んでいきたいところです。

小川 哲著『嘘と正典』

もっと読みたい話ばかりで、良い短編集だけど、物足りなさも感じました。
・魔術師
これはうまい。マジックショーでも見させられたかのような読後感
・時の扉
なんか、王と地下室と銃でそれかなぁと思ったらそれだった。
・最後の不良
私はおしゃれとは対極にいて、ジーンズと白シャツとかジーンズとパーカーという作中に出てきた人たちのような恰好をしているので、そこまで見た目で自分を表現したいという感覚自体が良くわからん。でもなんとなく理解できてしまう話ではある。
・嘘と正典
最近「Steins Gate;」をクリアしたので、まさにこれはDメールとか思った。因果の詰まりとか、分岐した世界のせいで計算量が増加し、時空が不安定にって辺りが急にSFでよかった。

辻村 深月著『傲慢と善良』

ネタバレすると嫌なので前提知識を入れずに読んでみました、ミステリだと思って読んでたのですがどうも大恋愛小説だったようです。

私は恋愛小説が余り好きではないです。なんか読んでいてもイマイチ乗り切れないというか、「わかるぅ」とならないからなんじゃないかと思うんですが、『傲慢と善良』はかなりわかりました。それはもう首を縦に振り過ぎてクラクラするぐらいにはわかりました。

それは、あとがきで朝井リョウ氏が書いているように、人の思考を詳らかに描いているからと、人がなぜそういった行動をとるのかという、ロジックが確り説明されてるからなんじゃないんじゃないかと思います。

まぁ、逆に言うと今まで読んだ多くの恋愛小説はロジックが理解できなかったわけですよ。多分恋愛小説のリテラシーが低いのよねあっしは。

壇 俊光著
『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』

何もかもが間違ってるんだけど、金子氏をやり玉に挙げることで何かしらを守ろうとしたんじゃないかと思ったりね。

んで、皆状況をしっかり理解できるほど暇じゃないから、そんなお門違いの守り方が意外と通用してしまうんだろうなぁというあたりに人間残念。という思いを禁じ得ない。

人文書

経済の本も良かったのですが、今月は天気の図鑑が凄く良かったです。今までしらなかったのですが、私は雲の写真が好きなようです。

DJ Nobby著
『実は大人も知らないことだらけ 経済がわかれば最強!』

FP2級の試験も終わり3か月以上が経ったので、久しぶりに経済関係の本を読んでみました。軽い気持ちで読んだのですが、おカネとは株式とはから、信用創造、ブレトンウッズ体制、リーマンショック、アベノミクス、TPP、仮想通貨まで経済に関わることが広範囲で取り上げられていて思いの外充実していて良かったです。

この本を読んでおくと、幼気な子供に、「なんで金利差のせいで円安になっても、金利を上げられないの?」とか聞かれてもちゃんと日銀や政府のジレンマを教えてあげることが出来ると思います。

荒木 健太郎著
『 もっとすごすぎる天気の図鑑 :空のふしぎがすべてわかる!』

児童書と侮るなかれ、内容はもちろんのこと写真がめっちゃいい、スーパーセルをはじめとした超巨大な雲とか、#霜活で見られるらしい超微細な結晶とか、それらの写真ボーっと見てるだけで超楽しい。

更に色々な現象の仕組みが解説されていて、目から鱗が落ちまくりました。赤い月の理由とか、雷鳴の理由、フェーン現象の仕組みや雲の数え方なんてのも興味深かったです。

実用書

採用面接をしないといけなくなったので『人を選ぶ技術』を読んでみましたが、あまり真剣に考えてこなかったことが深堀されていて面白かったです。こういった、何かについて確り考えてまとめてある本っていいですね。

小野 壮彦著『経営×人材の超プロが教える人を選ぶ技術』

こと仕事に於いて、人を評すなんてのは碌に仕事のできない私がやることではないと思っていた。が、やらないといけなくなったので読んでみた本。
ただ、上記の人を評すことへの忌避感は、人を評価するということを分解できていなことから起こっていたのだと思える様になった。

それだけでも読んだ価値はあるが、この本に書かれているフレームワークを使い評価することで徐々に精度が向上できるのであれば、業務と人のアンマッチも減らすことが出来るかもしれない。時間はかかるだろうけど。

オリバー・バークマン著『限りある時間の使い方』

何事もバランスやなぁと思いますが。
何かにつけてお金に換算できてしまう資本主義の中で生きていると、休日さえもお金を稼ぐための準備にあててしまうので、そうでないことをしようというのは賛成。
特に下手くそなことを楽しめるというのに憧れる。やっぱりどこか役に立つことをしようとしてしまうんですよね。
さらに、時間は有限であり出来ることもそれにより限られるしかも思っている以上に出来ないってのはまさにその通りで、取捨選択はせざるを得ないなぁと人生の半分を過ぎた私は思い始めています。

ドリー・クラーク著
『ロングゲーム
今、自分にとっていちばん意味のあることをするために』

やってることが興味ある事ですよとか、長期的な視点で考えることや、ゴールを定めると同時に道程も調べたり、詳しい人に聞くというのは納得しますが、成功するためには人脈をとか、人との付き合い方を3つに分類してとか、質の高い人と付き合うと言った話は控えめに言って内向的な私には向いていないし、あくまでそういった態度でないとうまくいかないと言った書き方には疑問が残りました。残念。

上田 渉著『超効率耳勉強法』

オーディオブック会社の人が書いた本なのでその辺りを差っ引きながら読みましたが、オーディオブックは新しい本の形として人によっては有用なんじゃないかと思います。

私自身、ポッドキャストを聞くことが多いのですが、耳からの情報取得に向いていないようで、聞いているうちに別のことを考えてしまうことがよくあります。オーディオブックも何冊か持っているのですが、現状ではまだまだ黙読の方が良いと感じます。黙読ならば、わからなかったところを繰り返し読んだり、途中で止まって考えたりすることができますからね。ただ、年齢を重ねるとともに字を読むのがつらくなった場合には、オーディオブックに頼ることもあるかもしれません。

また、隙間時間で勉強することは素晴らしいことですが、その隙間時間をボーっと過ごすことも同じぐらい有用だと思います。隙間時間に勉強を詰め込みすぎると、長時間集中していることになるため疲れる可能性もあります。そのため、無理をせずに自分のペースで勉強することが大切です。

柳川 範之, 為末 大著
『 Unlearn(アンラーン) 人生100年時代の新しい「学び」』

アンラーンだったか、アンラーニングだったか、兎に角この概念に初めて出会ったのは『失敗の本質』だったわけですが、それから私は成功体験と言うのを特に得ていないのでそこまで過去のやり方に固執することもなくやっているような気がします。

ただ、楽をするためにパターン化して決めてしまっていることと言うのは確かにあるので、それがパターン化して楽した結果の判断だというのは意識しておきたいところです。

ちなみにこの本には、読者にアンラーンが必要かどうかチェックするチェックリストが載っているのですが、会社に行きたくないと思ったにチェックが入るとアンラーンが必要らしいので、わたしは20年ぐらいずっとアンラーンが必要だったことになります。(まぁ、そういった人はそこのチェック度外視していいんでしょうけど)

影山 徹哉著
『Third Thinking : 最先端の脳科学・心理学研究が証明した最強の思考法 : 無意識思考』

ダニエルカーネマンは著書『ファスト&スロー』で人間の思考をシステム1(ファスト)とシステム2(スロー)に分けましたが、この本ではさらにシステム3(無意識思考)を紹介しています。

無意識思考ってなんぞや?と思われる方も多いと思いますが、そういった方の中にもある問題についての情報をたっぷり入力して、その後全然関係ないことをしているとふといい解決策が浮かんだという経験がある方がいらっしゃるかもしれないです、この本ではその無意識の間に思考していることをシステム3としているようです。

これは、森博嗣氏が『集中力はいらない 』で「分散力」と呼んだものと同じものを指しているんじゃないかと思ったり、この本でも30年以上前に発刊された『思考の整理学』にも同様の記述があると書かれていたので、システム3は概念的には新しいものではないものの、近年になって科学の俎上に上るようになってきたというものなのかもしれないですね。

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