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少子化の裏側:子供を持たない人の居心地の悪さについて考えてみる
生涯無子率の上昇に関連し、日経新聞が2月に実施した読者アンケートでは、子供を持たない人が「何のために生きているのかわからなくなる」と悩みを吐露する回答が複数あった。少子化問題が叫ばれる中で、どこか居心地の悪さを感じている人もいる。生命哲学を研究する早稲田大学の森岡正博教授と、その根っこについて考えた。
「#生涯子供なし」識者はどう見るという特集が日経新聞のサイトに掲載されていて興味深く読んでいます。上記記事はその第5回で子供を持たない人生について書かれています。
少子化問題は国家運営や社会の規模で問題となり、頻繁に報道されます。しかし、子供を持たない、または持てなかった人々についての議論はあまり見られません。そのため、この視点は特に新鮮に感じました。
記事によると子供を持たない人が感じる居心地の悪さの根底には「子を持つことが人生の意味である」という考えがあると書かれています。その考えが根底にあれば、冒頭に書かれているように子供を持たない人が「(子供を持っていない私は)何のために生きているのかわからない」という悩みを持つというのは理解できます。
そういった人が気楽に生きるための考え方は色々ありますが、個人的には以下のように考えてみるのがよいと思っています。
少子化問題には確かに国家や社会全体が直面しています。しかし、もし自分の存在を「人類」の一部として認識し、そして時間軸を大きく広げて考えてみるならば、現在の日本が少子化により衰退することが、人類史全体にとって良いことなのか、悪いことなのか、そもそも判断することができるのでしょうか。
さらに視野を広げて、地球全体の観点から見ると、現代人類の繁栄が地球にとって良いことなのか、悪いことなのか、その判断は不可能です。
また、視野を狭めて国家レベルで考えたとて、少子化がもたらす現在の社会的な問題がある分野への投資を促し、結果として数千年の繁栄につながる可能性だってあります。
その観点から考えると、子供を持つことが良いことか、悪いことかを一概に判断することはできません。また、上記の視点を前提にすると、統一された「人生の意味」なんて定義しようがありません。
「これが私の人生の意味だ!」と決めること自体には反対しないですし、統一された「人生の意味」が無いのであればそれぞれが意味づけするしかないとは思いますが、個々人の「人生の意味」は他人に強制されるものでも、正解のあるものでもないわけです。
子供を持たないことで自分の人生に意味がないと感じる人は、本来、正解のないものであるはずの人生の意味の正解を求めてしまっているので、そもそも「人生の意味」に正解なんてない、自分で好きに選択できるのだと考えることが少し生き易くなる方法なんじゃないかと思ったりしました。
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