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日本の若者が深い友人関係を築けなくなった「決定的理由」 に思う

――しかし日本では、現在40~50代の団塊ジュニア世代が中高生だった80年代後半からすでに「あっさりした関係を望む」「親友でも本当に信用できないと感じる人が増えている」という調査結果があり、90年代以降もその傾向は続いています。つまり「最近の若者」が友達関係をうまく築けない状態が、30年続いていることになります。背景には何があるのでしょうか。

石田 70年代までの友人関係は会社や地域の付き合いから生まれていたため、「いつこの友情が解消されるかわからない」という不安はありませんでした。ところが80年代以降、「自由で自発的なもの」に友人関係は変わり、関係を維持するために要求されるコミュニケーション技能が増えた。自分から働きかけなければならず、失敗すれば失われる関係になった。そうなればうまくいかないことも増え、あるいは及び腰になるのは当然です。
(上記記事より抜粋)

上記の記事に色々と思うところがあったので紹介したいです。上記の記事はインタビュー形式で書かれていて、インタビューを受けているのは以下の石田さんという方です。

読売新聞と朝日新聞の記事、特に人生相談などの読者からの投書欄をつぶさに辿って「友人」観の変遷を研究した『友人の社会史 1980-2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』(晃洋書房)の著者である石田光規・早稲田大学文学学術院教授に訊いた。(上記記事より抜粋)

冒頭に引用したように、80年代の後半から日本人の若者は「深い友人関係を築けなくなった」と書かれています。ここで記載されている「深い友人関係」というのは「本音の言い合える、気の置けない関係」を指しているようです。

石田さんはこのような関係が築けなくなったことについての良し悪しについては触れられておらず、単に構造(共同幻想)の変化について語られていることが好印象でした。


書かれていた内容を私なりに咀嚼すると、
70年代までは地域や企業などへの帰属意識が強かったが、80年代以降には地域や企業の力が衰えたため帰属意識が低下し、友人関係は変えようのないものから、自由に選べるものに変わった。(80年代と言えば「学歴信仰」の時代なので、意識が集団から個人へ向かったというのもあるかもしれないですね。)
友人関係が自由に選べるようになったことによって、逆に自分が選ばれなくなる可能性も出てきてしまい、それまでよりも気を使った間柄になった。

という風に読めました。なかなか面白い考察ですね。

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